蔵元訪問

2014年3月15日 (土)

美冨久酒造

 美冨久酒造さんは、東海道五十三次50番目の宿場町 水口 にあり、蔵も旧東海道に面しています。

周りは一面の田園地帯です。

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 旧東海道をまたいで蔵はあります。

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 東に鈴鹿山系が控え、その伏流水を利用した酒造りをされています。

 蔵は、最盛期に3000石の造石があったというだけあって、非常に大きなものでした。

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 蔵の一本、一本の梁が物語るように歴史と格式を感じさせてくれます。

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 美冨久酒造さんは、山廃仕込にこだわりをもっておられますが、この重厚な建物に酒造りを支える乳酸菌が棲み着いているのでしょうか。

 この日は、既に甑倒しを終えられていて、今期の役割を終えた、釜と放冷器が静かに鎮座していました。
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 麹室ですが、なんと、外観は煉瓦積みです。

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 中も綺麗に清掃されて次の造りを待っているかのようでした。

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 酒母タンクは、大きな部屋に大切に祭られているようでした。

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 仕込みタンクが置かれた部屋では、なんとも言えない香りが満たされていました。

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 初めて美冨久酒造さんのお酒を飲んだのが、信楽の「ほろ酔いうつわと地酒展」で販売されていた大吟極醸だったこともあり、軽快な酒質のお酒を造られるのかと思っていて、そのことを試飲、販売コーナーでお話させていただくと、蔵としては山廃仕込による濃淳なお酒が多いけれども、若い人がとっつき安いように、大吟極醸のようなお酒も大切にしているとのことでした。

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2012年5月19日 (土)

小笹屋竹鶴 生酛 無濾過純米吟醸原酒

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  • 醸造元       竹鶴酒造株式会社[広島県竹原市本町3-10-29]
  • 種類        純米吟醸
  • 原料米       八反(広島県産100%)
  • 精米歩合     50%
  • 酵母        蔵つき酵母
  • アルコール度数 19~20%
  • 日本酒度     +11.5
  • 酸度        3.0
  • 杜氏        石川達也氏
  • 酒造年度     平成20年度(第19号仕込)

 2012年5月12日に竹原市を観光した際、町並み保存地区にある「小笹屋酒の資料館(=蔵元)」を訪ね、その際に購入したお酒。

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 重厚な造りの建物は、それだけで威圧感がありますが、中にはいると好々爺風の方が色々なことを丁寧に教えてくださいました。実は、後から知ったのですが、その方こそが、竹鶴の社長さんだったのです。

 竹鶴酒造さんでは、生酛造りに力をいれておられ、その中でも特に木桶による生酛にこだわってらっしゃるとの事でした。 「8月の酒造りがお休みの間にも、木桶を80℃のお湯で殺菌するんですわ。」とこともなげにおっしゃる姿を見て、安全醸造の全く逆をいく姿に感銘を受けました。

 当然のことながら酵母も蔵つき酵母でお酒を醸され、一定の期間寝かせてらっしゃいます。 この商品の中に入っていた生酛についての説明書きがされた一枚の紙片にはこう書かれていました。

   「生酛の酒は、当たり前なのに何か違う、究極の“放し飼い”の酒です。」

「毎年、味が少しずつ違うんですわ。」とおっしゃりながらも、何か、それを楽しんでおられる姿を見て、どうしてもこのお酒が欲しくなり購入しました。

 瓶の裏ラベルを見てください。 酒造年度はもとより、仕込みタンク(桶?)の番号まで記載されています。 きっと、年度だけではなく、仕込みタンクによっても味が変わってくるのでしょう。

 社長さんは気さくな方で、竹原三蔵のお酒が飲める美味しい食事処を伺うと、「ますや」さんを紹介して下さり、さらには、電話で予約までして下さりました。 この「ますや」さんというお店。以前、東急ホテルでシェフをされていたご主人が竹原の地に店を構えておられ、和を中心にしながらも洋のセンスを取り入れた美味しい食事を食べさせていただきました。また、どの料理も竹原のお酒にしっくりとなじんで至福の一時を過ごすことができました。 そしてこの時に、お店を紹介して下さったのが竹鶴酒造の社長さんだということを知りびっくりしました。

 さて、このお酒、日本酒度+11.5、酸度3.0 分析値だけでも圧倒的な強さを感じさせてくれますが、まず、香りを嗅ぐと、一言では言い表せないような複雑な香りが絡み合っています。 スパイシーな香りがあるかと思えば、イチジクのような甘い香りも、また、竹原の翌日に行った鞆の浦名産の「保命酒」の原料となっている生薬のような香りも漂ってきます。普通、香りは段々と鼻がバカになって分からなくなってくるのですが、このお酒は、いつ嗅いでも力強い香りがします。

 口に含むと、より複雑な味が押し寄せてきます。 冷やで飲むと苦みが立つのですが、燗にすると、しかも、熱燗くらいがちょうどまろやかになります。 そこから燗冷まして日向燗あたりで再びまろやかな味が戻ってきます。

 高い日本酒度にもかかわらず、どの温度帯でも不快なアルコール感はなく、気がつくと気持ちよくなっているという感じでした。

 無濾過で4年の熟成を経たお酒。色は黄金色に輝いていました。 まさに自然が生み出した宝とも思えるお酒でした。

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2012年3月24日 (土)

藤岡酒造

20120324_fujiokasyuzo_01 伏見酒造組合が主催する、「第6会日本酒まつり」にあわせて実施される蔵元イベントで訪れました。

 藤岡酒造さんは、造石量150石の小さな蔵です。

 全量を純米で醸造され、少量生産だからこそのこだわりのお酒造りをされていて、一度、訪れてみたかった酒蔵でした。

 まず蔵内です。

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 洗米場から仕込みタンクまで全てが見渡せる平面配置で清潔感にあふれた蔵です。製麹のみ2階で、この場で造りの全てが行えるようになっています。

 藤岡酒造さんでは、山田錦の他、山田錦の親である山田穂、愛山、美山錦といった酒造好適米を使われ、それらをこの洗米機と桶だけで洗米と浸漬の工程をこなされます。

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 そして、この洗米と浸漬を支えるのが、すぐそばにある黒板です。

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 藤岡さんは、素人である我々に、この黒板に書かれている意味を丁寧に説明して下さいました。

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 まず、3月22日 気温15℃、水温8℃、米の品温9.5℃で、酛掛用の美山錦(精米歩合60%)24kgを、8kgずつ3回に分けて洗米と浸漬する工程なのだそうです。

 そしてまず1回目を例にとると、58分-59分30秒まで洗米、00分10秒-00分30秒まで浸漬、すると吸水率が10.76%だったということらしいのです。そうして、細かく調整しながら、目当てとする吸水率にお米を整えていくのだそうです。

20120324_fujiokasyuzo_06 浸漬が終わったお米は、釜で蒸されます。

 釜の内部は工夫してあって、お米の量が少ないときには、内側に遮蔽板のようなものを取り付けて蒸すそうです。

 一連の工程が近接した場で行えるので効率がいいなぁと感じました。

 さて、次は、仕込みタンクを見学させていただきました。 藤岡酒造さんでは、4本の仕込みタンクがあります。

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 醸造場の階段を上れば、タンクにアクセス出来るようになっています。タンクの中では発酵が進んでいました。

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 使ってらっしゃる酵母は、蔵元ご自身が酒造りの修行をされた宮城県の酵母である宮城酵母を主に使われており、お酒によっては協会7号酵母だそうです。

 できるだけ食中酒として飲んで欲しいとの思いから、上立ち香が強く立つものではなく、料理が美味しく感じられるお酒を目指していらっしゃるとのことでした。

 そういえば、この仕込みタンクにアクセスする階段を上ると、製麹室の扉が見えました。

 本当にこの蔵は、各工程のつながりが分かりやすく、とてもためになりました。

 そして、最後に搾り器です。

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 舟搾り器です。 この蔵の凄いところは、この部屋そのものが冷蔵庫になっていることです。 藤岡酒造さんでは品音管理にとても気を遣われており、3月の末に仕込んだ酒を5月に搾る段階になって気温が上がってしまうと、それまでの品音管理の苦労が水の泡になるということで、この部屋そのものを冷蔵庫にされたとのことです。

 また、こうすることで、皆造した後は、この場所をお酒の貯蔵庫として使うことができるので、一石二鳥だとおっしゃってられました。

20120324_fujiokasyuzo_11 藤岡酒造さんの仕込み水は伏見の白菊水という水系の水で、その最上流に位置しておりとても上質な水だそうです。

 水温は年間を通して17℃くらいとのことで、汲み上げた水は、仕込み水用のタンクで下げるそうです。

 タンクの周りに取り付けられた黒いパイプの中を冷水が通り、タンクの中の水温を調節していきます。

20120324_fujiokasyuzo_12 藤岡酒造さんでは、全てのお酒を、低温でいわゆる吟醸造りされており品温管理には大変気を遣われているのが実感できました。

 仕込みタンクもすぐに温度がわかるようになっていました。

タンクの中の温度が6℃台で、タンクの表面もたっぷりと汗をかいていました。

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20120324_fujiokasyuzo_14 蔵元は、終始、お酒造りに対する思いを熱く語ってくださいました。

 仕込みタンクが4本ということもあり、現在の仕込みペースは1週間に1本ですが、こうすることで、一つ一つの仕込みに気を遣うことが出来、丁寧にお酒を造っていくには、今の規模がちょうど良いとのことでした。

 藤岡酒造さんのお酒 蒼空・・・

 青空を見上げるとホッとできるように 飲んだ人が優しい気持ちになれるような そんなお酒を造りたいとの思いから名付けられたそうです。

 大切に飲みたいお酒だと思いました。

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2012年3月18日 (日)

純米 朱雀門

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  • 醸造元       奈良豊澤酒造株式会社[奈良市今市町405番地]
  • 種類        純米酒
  • 加熱方法     二回火入
  • 原料米       山田錦
  • 精米歩合     62%
  • アルコール度数 15% ~ 16%
  • 日本酒度     +2
  • 酸度        1.7
  • 杜氏        藤沢忠治

20120318_suzakumon_03 2012年2月29日に近鉄電車主催の「酒蔵みてある記」というハイキングで奈良豊澤酒造さんを訪れた際に購入したお酒。

 奈良豊澤酒造さんは、6000石を誇る非常に大きな酒蔵です。

 天気も良く1933名という非常に多くのハイカーがこの酒蔵を訪れました。

 予め見学ルートが整備されており、一つ一つの工程が手に取るようにわかりました。 下の写真は、醪タンクのある部屋です。 開放タンクでの作業性がとても良さそうな作りでした。

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 会場には、次のような説明板がありました。

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20120318_suzakumon_06 このお酒は、会場で試飲させていただき買ったお酒です。試飲したときから買おうと決めました。

 試飲は常温(気温も低く少し冷たい温度)に近い温度でさせていただいたのですが、若干、苦みが立っているようには感じましたが燗にすればいい味になるのではないかと思いました。

 果たして、燗にすると、人肌燗あたりで、とてもまろやかな風味になります。冷やで飲んだときの苦みは完全に消え、甘みが際だってきて、ともすればアルコールを飲んでいるという意識すらなくなるようでした。

 決して派手なお酒ではありませんが、つい、もう一杯飲みたくなる、そんなお酒でした。

 

2012年3月17日 (土)

純米大吟醸 生駒宝山

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  • 醸造元      上田酒造株式会社[奈良県生駒市壱分町866番地の1]
  • 種類        純米大吟醸
  • 加熱方法     二回火入
  • 原料米      山田錦
  • 精米歩合     50%
  • アルコール度数 16% ~ 17%
  • 日本酒度     +5.0

20120317_ikomahozan_03 2012年2月12日に近鉄電車主催の「酒蔵みてある記」というハイキングで上田酒造さんを訪れた際に購入したお酒。

 1472名という多数のハイカーの数にもかかわらず、丁寧に蔵の中を見学させていただきました。

 生駒山系の水を仕込み水として酒を醸されている小さな蔵です。

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 さて、上立ち香は優しい林檎の香り。 決して香りが主張することをせず、心地よい爽やかな気持ちにさせてくれる香りです。 含み香も涼やかなフルーツの香りですが、舌の奥まで転がすと、どっしりとした苦みも感じることのできるお酒です。

 緩急がはっきりしていて、連続的に飲むよりも、少し間を開けて飲むと、新しい香りが感じられるお酒でした。

2012年3月10日 (土)

千代酒造

20120310_chiyosyuzo_01 近鉄電車主催のツアー「千代酒造見学と地酒飲み比べ」に参加し訪れました。(よろしければ、こちらもご覧下さい。)

 千代酒造さんは「櫛羅」、「篠嶺」という地元の地名と仕込み水を抱いてくれている山(葛城山)の名前をお酒のブランドとされています。

 本日は、蔵元の堺さん自らが蔵の説明に当たってくださいました。

 まずは精米処です。

 奈良県の酒蔵で自前の精米機を持たれているのは三蔵だけで、その一つがここにあります。

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 出てきた糠の一分が床にこぼれていましたが、白糠は本当に綺麗でした。

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20120310_chiyosyuzo_04 精米されたお米は、まだ熱をもっているのと、精米中に飛んだ水分を取り戻すため、しばらくの間、保管されます。

 これを「枯らし」と呼びます。 30kgの米に対して300gくらいの水分が戻ってくるそうです。

 しかし、最近の研究では水分を戻さない方が良い場合があるとのことで、麹米用のお米に限っては、水分の戻りが無いようにラップを巻いて保管されておられました。

 続いて、洗米です。 

20120310_chiyosyuzo_05 単に水で米を洗うのではなく、流水中に空気を巻き込むことにより泡で洗うのだそうです。

20120310_chiyosyuzo_06 そして、その役割をするのが洗米機ですが、この泡で洗うという仕組みが特許になっていて、この特許を使うことの許諾を示すシールが製品の価格の大部分を占めるらしいです。

 洗米から、次は浸漬工程です。 米の精米歩合によって浸漬時間は変わってきます。精米歩合が低い米は長く、高い米は短く、水切りとのタイミングでいろいろと難しいらしいです。 浸漬後の水切り器の奥はシャッターになっていて、それを開け放つと・・・

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 篠嶺山(葛城山)が前面に見ることが出来ます。 蔵元は、この山から得られる水の恵みにとても感謝されておられました。

 ちなみに高級酒の水切りはこのような機械を使うのだそうです。 コンプレッサーらしき物がついているので真空引きになるのでしょうか。

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 浸漬が終わると、次は、蒸米工程です。 このような甑釜でお米を蒸します。

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 約1時間かけて蒸すそうです。過熱蒸気も作れるそうです、タイミングに応じて切り替えるとのこと。 釜に掛けられているのは“ダミー米”と言って、どうしても一番底が強く蒸されてしまうため、ダミー米を底に敷くことにより均一化を図っています。

 やはり、最近の燃料費高騰は痛いとのことでした。

 蒸し上がったお米は、放冷器で冷やされます。

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20120310_chiyosyuzo_12  さて、いよいよ、麹作りです。

 これが種麹となる黄麹です。

 これを米に植え付けると・・・

20120310_chiyosyuzo_13 こんな米麹ができあがります。

米麹を食べさせていただくと、カリッとしていて、それでいて、口の中でとろりととろけて甘い香りが広がります。

 米麹の造りには、よほど思い入れが強いのでしょう。 難しいお話を時間をかけて、とても詳しく説明して下さいました。

 この扉の向こうが製麹室になります。

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 次に案内していただいたのが酒母タンクです。 貴重な酒母タンクを覗かせていただくことができました。

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 酒母タンクは、中央の背の低いタンクで、それ以外は仕込みタンクになります。

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  仕込みタンクも、色々と中を覗かせてくださいました。

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 ここでは醪酒を振る舞っていただきました。

20120310_chiyosyuzo_19 そして、最後は搾りです。 この日は、やぶた式の搾り器がまさに稼働中でした。

20120310_chiyosyuzo_20  搾られたお酒はタンクの中に少しずつ溜まっていきます。

 この空間は甘美な香りが充満していました。

 これが、たった今、搾られたお酒です。

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 とても美しい色をしています。

 一つ一つの工程の説明をとても詳しくして下さった蔵元の堺さんの情熱に触れることのできた一日でした。

 

2012年3月 3日 (土)

春鹿醸造元 今西清兵衛商店

20120303_imanishiseibei_01  西の京にお店を構える「きとら酒店」さん主催の蔵元見学会に参加させていただき訪れました。

 春鹿というお酒は大好きで、普段からよく飲みますし、今年の1月21日には蔵元主催の寄席「春鹿寄席」にも寄せていただき楽しい一時を過ごしたりもしていましたが蔵内を見学するのはこれが初めてです。

 春鹿の中野さんに詳しく蔵の中を案内していただきました。

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 まずは、精米所です。奈良県の酒蔵で自前の精米機を持たれているのは三蔵だけで、その一つがここにあります。

 40% まで磨くには4日間をかけるとのことでした。精米の進行は最初の70%くらいまでは比較的早く進められても精米が進むにあたって、お米が割れるのを防ぐためにゆっくりと進めるとのことでした。

 精米歩合は重量で管理されていて、出てくる糠の重量を元に精米機が精米歩合を管理しています。

 吟醸酒用の糠を見せていただきましたが、もはや、糠というより、見た目は片栗粉に近いようなものでした。

 

20120303_imanishiseibei_03 次に案内していただいたのは、高級酒用の搾り器です

 いわゆる、舟というやつです。

 本日は、稼働することなくお休み中でした。

20120303_imanishiseibei_04 社訓でしょうか。

 「春鹿の基本理念」と書かれた看板が吊されていました。

 このあとは、また精米以降の工程に戻り、まずは、蒸米装置です。

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 まだ造りの真っ最中で、蔵人の方も忙しそうに働いてらっしゃいました。

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 そして、これがKOS式自動製麹装置です。

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 最後に見せていただいたのは、醪タンク室です。春鹿さんでは、出来るだけスペースを有効に使えるように、このような開口式タンクを利用されているとのことでした。

 この部屋に入ると、なんとも良い香りが漂っています。

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 タンクの中では発酵が進んでいました。

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20120303_imanishiseibei_10 きとらさんと春鹿さんのご厚意で醪(白滴として搾られるお酒だそうです)の味見もさせていただくことができました。

 我々の見学が終了すると、4連の換気扇を動かされました。確かに、これだけのタンクで醪が発酵していると、それだけでも室内の二酸化炭素濃度は上昇すると思います。

 春鹿は、元々、春日神鹿という名称だったのだそうですが、この中から2文字をとり、「春鹿」という名にしたそうです。 

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 その昔、玄米仕込みから始まった酒造りが、諸白となり、段仕込み、濾過、火入れと奈良の僧坊で進化してきた。 その深い歴史と味わいを楽しむことができました。

純米吟醸 20度 利兵衛

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  • 醸造元       喜多酒造株式会社[奈良県橿原市御坊町八番地]
  • 種類        純米吟醸
  • 加熱方法     二回火入
  • 原料米       五百万石
  • 精米歩合     50%
  • アルコール度数 20%
  • 日本酒度     +5.0
  • 酸度        2.1

20120303_rihe_02 2012年1月15日に近鉄電車主催の「酒蔵みてある記」というハイキングで喜多酒造さんを訪れた際に購入したお酒。

 喜多酒造さんは、初代天皇である神武天皇を祀る橿原神宮とその周囲の杜の懐に抱かれた蔵元です。

 この利兵衛というお酒。20度までアルコールを切りきった純米吟醸酒です。 原料米には、50%まで磨いた五百万石を使われており、その酒瓶の異形とも相まって、 King of Sake の様相があります。

 蔵見学の一環として精米歩合50%の五百万石を見せていただくこともできました。

20120303_rihe_03                    五百万石の玄米と50%精米

 上立ち香はそんなに強くありません。20度という非常に高いアルコール度数でありながら、アルコールの嫌みもなく気持ちのいい香りがします。

 流石に口に含むと、アルコール感は強く感じますが、酸度が2.1と高いこともあって、爽やかな風が抜けていきます。日本酒度も+5.0あり、いわゆる「濃醇辛口」に分類されるお酒で、どっしりとしたコクと重みを感じます。 上手く表現できませんが「大和」を感じさせてくれるお酒でした。

2011年10月 8日 (土)

河合酒造

20111008_kawai_01  橿原市の今井町にある河合酒造を訪ねました。 今井町は戦国時代より連綿と続く町の様子が残っている地です。その一角にある河合酒造さんも江戸時代より続く酒造。 建物の構えが歴史を感じさせてくれます。

 この日は、酒造を見学すると言うよりもこの町とそこに息づいた文化を見学するために訪れました。河合酒造さんでも、建物の中を有料で見学させてくださいます。

 2階の部屋には、見る方向によって形が変わる格子があったりします。

正面から見ると

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ですが、少し斜めから見ると

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かなり、異なった印象を受けます。

 東の堺、西の今井と呼ばれたこの地、 往時は大店が隆盛を誇っていたということです。この酒造でも、明治の輿入れの際には、お嫁さんが籠に乗ってやってきたとのことです。

 お酒の代表銘柄は、その名も「出世男」。 地下から湧き上がる地下水を仕込み水として利用されているとのことです。 今井町は、さほど遠くないところに藤原宮跡があり、この近辺は古代より人が住んでいたところだと思います。 人が住む条件として“水”は大きな条件ですので、奈良盆地の中央に位置するこの地では、太古のころより盆地を取り囲む山系からの地下水が豊富なのでしょう。

 お店の方はとても気さくな方で、ご主人にも出てきていただき、いろいろなお酒を試飲させていただきました。 かつて、橿原市のとなりの葛城市に住んでいたこともあり、この地域の水質はよく知っているのですが、ミネラル分の多い水ですのでお酒も硬めの味がして、キリッとした味がしました。 この日は、奈良うるはし酵母を使った純米吟醸酒を買いました。

【蔵元の紹介】

  • 名称    河合酒造株式会社
  • 創業    明和9年(西暦1772年)
  • 所在地   奈良県橿原市今井町1-7-8
  • 仕込水   蔵元井戸水

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2011年4月10日 (日)

松本酒造

20110410_matsumoto_01  八幡の背割堤に花見に行った帰り、宇治川の堤防をひたすら歩き続けてたどり着いたのが伏見にある松本酒造でした。

 もう少し早い時期に行けば、蔵の手前の土手に菜の花が咲き誇る絵になる風景を拝むことが出来たのですが、この時にはすでに刈られた後のようでした。

 この立派な蔵は、よく映画のロケに使われるそうで、最近では「武士の家計簿」にも出ていたのを記憶しています。

 松本酒造を知ったのは、JRのJ-WESTカードというクレジットカードのポイント交換で、「酒懐石」という純米酒のセットを手に入れたことがきっかけでした。

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 この箱の中には、五つの銘柄の一合瓶が収められていました。

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 綺麗な瓶に入ったお酒はどれも、まろやかな甘さの中にキリッと引き立つ強さが混然としていました。このお酒を飲んで以来、パッケージの蔵の風景にもあこがれ訪れてみたいと思っていました。 しかし、あいにく通常は蔵はオープンされていないようで外観を眺める他ありませんでした。いつの日か機会があれば是非、蔵の中を見てみたいと感じました。

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