2017年1月 2日 (月)

新春天空狂言にて新年を言祝ぐ

 今日は、おめでたく、新年狂言で笑い初め。

 20170102_tenku_01

 15時開演の部です。

 めでたい雰囲気の漂う能舞台。 一年をスローにスタートするにはもってこいって感じです。

20170102_tenku_05

 お目当ては、茂山宗彦さん。 桂よね吉さんの落語でよくコラボされているのですが、すっかりお気に入りに。 鶏婿で婿役をされたのですが、何気ない所作になぜか笑いが。。。 不思議な方です。

 この日の一番は、素袍落で太郎冠者役をされた茂山千作さん。 酔っ払いの芸をされるのですが、酔っ払いの同類としては、その演技が身につまされます。圧巻なのは、あくまでも芸なので飲んではおられないはずなのに、だんだんと顔が紅潮されていくところ。

 もしかして、飲んでる?

 なんとなく、ほっこりとした新年を迎えることができました。

 ところで、この日は、月と金星がとても接近していたのですね。 公演が終わり会場を出ると・・・


20170102_tenku_02


 三日月と金星のランデブーが。

 そして、さらに、ピチョンくん(明るすぎ)も、

20170102_tenku_03

 
 御堂筋に出て、心斎橋まで歩いて帰りました。 途中、御堂筋もイルミネーションが、年始と言うことで自動車も少なく、一層、輝きを増していました。

20170102_tenku_04

 Takaは、明日でお休みもおわり。

 年末のお休みは、本当に足早に過ぎ去っていきますね。

2014年4月12日 (土)

奈良~九重桜と春鹿寄席

 今日は、午後3時過ぎから春鹿寄席。お天気もまずまずで、それまでの時間、奈良公園を散策。ソメイヨシノは散り過ぎましたが、奈良公園では、色んな種類の桜が春を継いでいきます。今は、垂れ桜と、九重桜が満開。この種類の桜が多いところを、訪ね歩きます。

 みどり池園地。九重桜が、咲き誇っています。

20140412_nara_01

20140412_nara_02

八重の中でも早咲きの品種で、小振りの花弁が可憐。

花手鞠が、枝からこぼれそうです。

20140412_nara_03

 戒壇院へと続く石段の脇には、清楚な山桜。

20140412_nara_04

 正倉院横の園地には、大きな枝垂れ桜が2本。可憐で華やかな、八重の紅枝垂れ。

20140412_nara_05

20140412_nara_06


「おかっぱ桜」と呼ばれる独特の姿は、花が鹿に食べられないように枝を切っているため、また実際に鹿に食べられることもあり、枝の長さが一定に揃っているからだそう。不思議に愛らしいボリューム感。

20140412_nara_07
 東大寺大仏殿の脇から、東塔跡園地へ。ここは、桜も楓も多い所。すでに新緑をつけた楓に、枝もたわわな九重桜。そして、名残のソメイヨシノ・・・ 少しずつ春が進んでいます。続く春日園地。広々とした芝生を九重桜が彩っています。折しも風が吹き、花吹雪が・・・ 


20140412_nara_08

華やかな一時です。

シルクロード交流館の脇の、枝垂れ桜の饗宴もあでやかです。

20140412_nara_09

 この後、もう一度東大寺大仏殿の背後に出、土塀の続く石段を登って、二月堂、三月堂、若草山の麓を通り、浮見堂の浮かぶ鷺池へ。

20140412_nara_10

20140412_nara_11

20140412_nara_12

 池を見下ろす高台は、ちょっとした九重桜の並木。

20140412_nara_13

 下に入ると、桜色の回廊。身も心も桜色に染まって、奈良公園の花力を満喫しました。

 散策の後は、奈良町の今西家書院で、お楽しみの春鹿寄席。

20140412_nara_14a



本日の噺家さんと題目は・・・

笑福亭純瓶さん 奈良を舞台にした創作落語・・・なのですが、今回は桃太郎をアレンジした「桃太郎と鶴と正直じいさん」のお話・・・あれ、奈良は もしかして、ネタ切れ しかも、話の途中で、本来ならまくらとおぼしき四方山話が入ってきますよ。どうなることかと思いながらも、意外性にかえって楽しく笑えました。次回、Elliの恩師の先生作の奈良町民話地図など進呈しよう(どの話もご存じかもしれませんが・・・)と、僭越ながら思った次第でした。

 桂華紋さん 「ふぐ鍋」 若手で、今後のさらなる面白みを感じさせる、勢いある話しぶり。

 笑福亭純瓶さん 「平の陰」 安定の古典落語。創作の方と打って変わって、安心して(?)、笑わせていただきました。

 桂坊枝さん 「天王寺詣り」 まくらでは、まったりした、物静かなくらいの話しぶり。それが落語の本筋に入ると、一変。メリハリの効いた、熟練の話芸。極められた語りに大いに笑った、円熟の締めでした。

 

20140412_nara_15 この後は、お楽しみの交流会 

 美味しいお酒と、噺家さんとの語らいの一時。

   桜に魅せられ、

         芸に笑い、

           酒と食に酔った

盛りだくさんな一日でした。



20140412_nara_16

2014年2月 2日 (日)

繁昌亭でほっこり落語と東北わくわくマルシェ

 いま、大阪で東北ワクワクマルシェというイベントをやっています。 ずっと、気になっていたのですが、会期も終盤に突入しています。

 このままでは、例の如く、

                    終わっちゃったね。


となること請け合いですので、そうならない内に行ってきました。

 ただ、それだけで大阪まで出るのも大義なので、繁昌亭での落語もセットに。

20140202_hanjyotei_01 まず、何はともあれ天満宮様にお参り。 今年はあくまでも他力本願モード持続中。

 ちょうど境内で、“なにわ七幸まつり” が開かれていて、船場汁の振る舞いがありました。 ラッキー

 NHKの連続テレビ小説の舞台地ということで、「ごちそうさん」ブースもあり、 Elli はちゃっかり物品収集。

 展示橋筋商店街にある「珈琲館 麗門」というオールドスタイルの喫茶店で、ホットケーキとお茶でお腹をふくらませて、いざ出陣。
 

 
 今日は久々の昼席公演です。

20140202_hanjyotei_02

 繁昌亭の昼席は、整理番号の若い方から入場資格を得るという、座席サバイバル方式で、しかも総座席数は216席。 我々のチケットに書いてある整理番号は 197番・198番。 つーことは、一階席はほぼ絶望的、二階席もかなり条件の悪い席も覚悟しなければなりません。  3日前に予約したのですが・・・ 休日の昼席は厳しいです。

 ただ、若い整理番号を持っている方が、その番号を呼ばれた時に、必ず入場するわけでもないので、早く行っておけば、それなりの座席に座れるチャンスも。

 とにかく、190番台が呼ばれた時には必ず入場できるように開場時刻にはスタンバイ。

 また、入場したら、不毛の地と化しているかもしれない一階席は見向きもせずに、まだ肥沃な大地が残っていると思われる二階席に直行しました。

 流石に真ん中は無理でしたが、左側最前列を確保することができました。 初めての二階席。 いつもは一階席から見上げていた、提灯が、

20140202_hanjyotei_03

                       眼前に

 思わず立体視モードに入ってしまいました。

 でも、舞台は意外と見やすいのでびっくり。 出演される方は総勢10名の超豪華版です。

20140202_hanjyotei_04

 初めて聴かせて頂く方ばかりでした。 しかも、題目も初めてばかり。  

    桂雀太さん       子ほめ 

    桂三ノ助さん      動物園

    桂文昇さん       ・・・記憶の彼方に

    寒空はだかさん    漫談 

    桂楽珍さん       狸賽(たぬさい)

    月亭文都さん      粗忽長屋

    露の吉次さん      ちりとてちん

    桂文喬さん       天狗裁き

    伏見龍水さん      独楽回しの曲芸

    笑福亭仁智さん    ハードラック

 たっぷりと笑わさせていただきました。 Elliなどは、少しシーンとした場面でフライングの笑いを披露するという不始末。

 

 このあと、西梅田まで歩いて到着したのが、お待ちかねの

                東北わくわくマルシェ

20140202_hanjyotei_05
 笑いすぎてお腹もすきまくり。 でも、ここで東北の美味しいものが頂けます。

20140202_hanjyotei_06
 福島の、アンコウ唐揚げ、 ウニ貝焼き、 カジキメンチカツ、 気仙沼の海鮮丼とまめぶ汁を、も・ち・ろ・ん 東北のお酒「会津中将」で。 おいしゅうございました

 しかし、6時くらいでしたが、結構、売り切れ品も続出、岩手ブースは既に完売で店じまいにはいっていました。

 久しぶりの文化的な一日(?) でした。

20140202_hanjyotei_07               もう、天満宮の梅がほころびかけ、春も近いですね

2014年1月 5日 (日)

繁昌亭で初笑いして皇室名品しっとり鑑賞

長かったお正月休みも今日で終わり・・・ ショボーン

このまま家に居ると、明日からのこと(もちろん、Jobね)ばかり頭に浮かんできて鬱々としそうなので、ここは一発、落語で初笑いと洒落込みました。

そこで出掛けましたよ繁昌亭。

おっとその前に、繁昌亭と言えば、大阪天満宮より敷地を借りて運営している所。まずは、地主様でもある天満宮様に初詣。

20140105_hanjyotei_01

 今年に入って三社目です。 なぜか、神にすがりたい Takaがそこに居ました。


20140105_hanjyotei_02 しかし、さすがに受験シーズン到来間近の天満宮です。朝早くから、中学生、高校生とおぼしき若人達が、わんさかとやってきておられます。

 Takaのように夢も希望もない、おやじとは違うのですから、是非、神様の力など借りずに自らの力だけで乗り越えていただきたいものです。 そして、その分、神のご加護をこちらに回して下さい。

 合格祈願の絵馬もびっしり。 あぁ~ 懐かしいなぁ(ってか、お前も神様の力を当てにしとったんかいってな感じですが)

 左の写真は、登龍門にあった灯籠です。

 龍がかけあがっていく姿が彫り込まれていました。やはり天満宮、どこまでも、お勉強仕様ですね。

 今日はいい天気、天満宮の梅の花も少しずつ蕾みが膨らんできています。

20140105_hanjyotei_03

 さて、そろそろ繁昌亭開場のお時間です。

20140105_hanjyotei_04

 今日の演目は、

   笑福亭生寿さん    つる

   旭堂小二三さん    寛永三馬術 曲垣平九郎 愛宕山梅花の誉れ    

   笑福亭純瓶さん    犬の目

   笑福亭べ瓶さん    ねずみ

 でした。 動物ネタで統一されていました。  正月早々笑わせていただきました。

 ちょうどお昼時、いつもは天神橋筋商店街の「ゆかり」でお好み焼きを食するのですが、異様に人が多くて、お店も順番待ち状態。。。 とほほ。

 お手軽なところで「はなまるうどん」を食してこのあと京都に。 京都国立近代美術館で開かれている

20140105_hanjyotei_05
 を観るためです。 会期も迫っており、この日しかチャンスがなかったのです。 正確に言うと1月13日まで会期があるのですが、会期終了間際の展覧会では恐ろしい経験をしたこともあるため、人混み大嫌いの Taka的には、会期一週間前がリミットなのです。

 しかし、流石に皇室のお持ちの品々は Takaのような庶民のお持ち物とは訳が違います。 人形一つにしても製作期間3年(お、お、お幾ら)とか、そんなお品がごろごろとございました。  パンフレットの絵は上村松園の描いた清少納言、三部作の一つだそうですが、その三部作を制作するのに20年を要したそうです。

 展覧会を見終わった頃には、日も西に傾き、美術館のロビーからはこんな景色が。

20140105_hanjyotei_06
 平安神宮の鳥居が夕陽に照らされて神々しい姿を見せています。


                     行かねば


夕闇迫る平安神宮に。

20140105_hanjyotei_07

 これで、今年の初詣、四社目となりました。

 いい年になるといいなぁ~~~~。

 三条のイスタンブール・サライでトルコ料理を食して京都駅に戻ると、音楽に合わせて水が軽やかに踊っていました。

20140105_hanjyotei_08

 これで、長かった九連休も終わりました。 明日からはどんな日になるのでしょうか。

 ハラハラ、ドキドキ


20140105_hanjyotei_09_2

2013年11月23日 (土)

春鹿寄席 第三十ニ盃  ~紅葉の奈良とともに~

 今年最後の春鹿寄席の日です。

 折しも、奈良は紅葉真っ盛り。 Elliは、前回(6月29日)と同様に お友達のMさんと待ち合わせて先に奈良へ。 吉城園に一番乗りして、その後、奈良をぶらついたようです。

 それでは、まだ人気の少ない吉城園の紅葉写真をどうぞ。

20131123_harushika_01
20131123_harushika_02
20131123_harushika_03
20131123_harushika_04

 Mさんは残念ながら、所要がありお昼で解散。 その後、Taka が呼び出されて、今度は、吉城園のお隣にある依水園に。

 それでは、依水園の写真もどうぞ。 あっ、そうそう、本当にお隣なものなので、一部、依水園から見える吉城園の紅葉も混じってます。

20131123_harushika_05

20131123_harushika_06
20131123_harushika_07
20131123_harushika_08
20131123_harushika_09
20131123_harushika_10
20131123_harushika_11

 そうこうしているうちに、春鹿寄席の時間が迫ってきましたので、急ぎ足で会場の今西家書院へ急ぎました。

 急ぎはするものの、奈良公園はどこもかしこも 秋真っ盛り ついつい足が止まってしまいます。

20131123_harushika_12

 なんとか、間に合いました。

 さて、本日のプログラムは・・・

20131123_harushika_13

 まずは、いつものように純瓶さん。 今日は、今までに無く、古典落語からスタートです。お題は「時うどん」。

 関東では「時そば」と呼ばれているやつですので、もう説明は要りませんよね。純瓶さんのうどんをすする姿が大熱演。 これだけでも笑いが・・・

 次は、春鹿寄席でもおなじみになりつつある生寿さん。 「千早振る」というお題です。博識の隠居さんと、その知識を求めてやってくる町人の話。 町人が自分の娘に百人一首の一つ「ちやはぶる かみよもきかず たつたがわ からくれないに みずくくるとは」 という歌の意味を尋ねられたのですが、意味がわからずにご隠居さんを頼ってきたというわけです。実は、ご隠居さんも分からなかったのですが、そこは博識者としての意地があります。分からないとは言えず、知ったかぶりをして、話しの創作を始めていくところが見せ場。しかし、下手に意味を知っているよりも、このような創作が浮かぶところが凡人ではありません。

 そして、再び純瓶さんの登場。 今度は、百話を目指す奈良創作落語です。お題は、ありません。 ただ、「山賊と弟」になるだろうとのこと。 我々がこの寄席で聞いた中では、最大の長編落語です。

 貧しい田舎から出てきた次郎作という男が奈良の酒蔵(実は、春鹿がモデル?)に職を求めるところから始まります。 そして十年の月日が経ち、お金も貯まり、ボーナス(?)を足して二十両の大金を持って田舎に錦を上げに帰るのですが、道中、山賊に捕まり、すっからかんに、行く当てもなく、それならばと山賊の仲間にしてもらいます。 しかし、根っからの善人。悪事をはたらくこともできず、それどころか、仲間の士気を下げることばかり言うので、頭領からも、頼むから出て行ってくれということに。 そのとき、一降りの太刀をもらい受けます。そして、再び奈良の酒蔵に戻るのですが、その太刀が名刀であることがわかり、四十両の金に化けます。 そしてこのお金を持って再び田舎へと帰ります。 そして、なんと途中、自ら山賊の所に行き、四十両のうち、二十両を返すという善人ぶり。 この後、この山賊の頭領が実は、分かれた自分の兄の太郎作であることがわかります。 うーん。あまりにも長編故、ネタあかしはここまで・・・

 そして、トリを勉められたのが生寿さんの師匠にあたる生喬さん。 お題は、「蔵丁稚」、落語の中に歌舞伎「仮名手本忠臣蔵」の話しも織り交ぜられる堂々の古典落語です。
 芝居好きの丁稚さんが、仕事の使いの合間に芝居を見て、それを旦那さんに見破られ、お仕置きとして、飯抜きで蔵に閉じ込められる話です。 お腹が空いてたまらない丁稚は、気を紛らわせるために、見てきた歌舞伎(これが忠臣蔵)の一幕を一人芝居で演じます。浅野内匠頭の切腹のシーンを小窓からみた女中がびっくり。大騒動に・・・

 素晴らしかったのは生喬さんの語り口。 一つ一つ抑揚と迫力のある言葉に感動しました。 忠臣蔵の歌舞伎のシーンでは、落語を見に来ていることを忘れるほどでした。

20131123_harushika_14 さて、落語の後は、お楽しみの交流会です。

 本日の乾杯酒は、今年の新酒「しぼりばな」です。 まだラベルのついていない瓶から振る舞われました。

20131123_harushika_15


 フレッシュなお味で盃が進みます。


 生寿さんとのお話の一コマ。

 我々: 「今日の生喬さんの丁稚さんの声色というか話し方が、生寿さんが前回の春鹿寄席で話された“悋気の独楽”(コチラも見てね)の丁稚さんに似ていますよね」

 生寿さん: 「やはり、弟子は師匠に似てくるものなんです。 私はどの落語家になるとき、色んな方の落語を聞きましたが、生喬師匠の噺を聞いて、この人しかないと思ったんです。」

 この後、生寿さんは、何人もの人物が出てくる “悋気の独楽” を極めたいという想いも語ってくださいました。

 美しい自然を見て、 素晴らし落語を聞いて、 美味しいお酒を飲んで、 清々しいお話も聞けて・・・   とても充実した一日でした。

20131123_harushika_16

 

2013年7月 6日 (土)

落語アウトレットとクラーク・コレクション

 酒と笑いに満ちた春鹿寄席から1週間、またまた落語に行ってきました。

 題して、「落語アウトレット」

20130706_rakugo_01

 先の春鹿寄席で演者の笑福亭純瓶さんが盛んに宣伝しておられ、それもそのはず、7月の春鹿寄席の噺家さん3名全員が、こちらも出演されるというのです。

20130706_rakugo_02

 一週間を置かずして、同じ噺家さんの高座から、どんな噺が聴けるのか 繁昌亭の朝席ということで席料も1500円と、まさになけなしのアウトレット価格。お得さと好奇心につられて、早くも猛暑の予感漂う大阪のど真ん中まで繰り出しました。

 お題は、桂福丸さん「餅屋問答」。餅屋の主が、ぶらぶらといい加減に暮らしている若者を、無住職になったお寺の「にわか住職」に付けますが、そこに旅の雲水が現れて、禅問答を仕掛けてきます。困り果てたにわか住職は、その場に居合わせた餅屋に・・・
福丸さんの知性ある落ち着いた語り口は、僧侶や医者、店主と言った役柄によく合い、引き締まります。安定した笑いをもたらしてくれます。

 林家そめすけさん「青菜」。我々が聴きに行く寄席で、出現率がとても高い「青菜」。大筋は同じでも、細かく笑いを取る小ネタが、噺家さんの持ち味に合わせてアレンジされます。元々、漫才師をされていたそうで、軽妙な早口で、賑やかに笑わせてくれます。ちょっとモダンな青菜でした。

 桂三歩さん「熱愛家族」。三歩さんといえば、何と言っても文枝師匠作の創作落語。休みの日に、お父さんが自分の家族は何をしているのか尋ねると、皆それぞれに芸能人のおっかけ。呆れ返るお父さん、かくいうご本人も・・・ やはり三歩さんのほのぼの飄々とした語りは、ちょっと人をくったような現代物の創作には抜群です。今日もたっぷり笑わせていただきました。

 笑福亭純瓶さん 「代書屋」。4月の春鹿寄席と同じネタ。でも、何回聞いても面白い~。昔懐かしい街とそこに生きる人の姿が、面白おかしく蘇ってくるような噺。安定の語り口で、安心して笑いの世界に誘われます。

  落語アウトレット、1500円で心ゆくまで笑えて、本当にお得でした

 繁昌亭の後は、天神橋商店街「ゆかり」のお好み焼き。

 昼食後は、一路、神戸(の手前?)へ。雰囲気をがらりと変えて、兵庫県立美術館「奇跡のクラーク・コレクション ルノワールとフランス絵画の傑作」を鑑賞

20130706_rakugo_03

 ここ数年はオランダやイタリアの近世までの絵画や、日本美術を見ることが多く、印象派は久しぶり。ドガやルノわワールの人物画が充実しています。特に今回のルノワールは、「劇場の桟敷席(音楽会)」「うちわを持つ少女」など、華やかな気品と存在感のあるものが多く、収集したクラーク夫妻の鑑賞眼が伺えます

 今回の展覧会、兵庫県立美術館を設計した安藤忠雄氏が、ボストンのクラーク美術館の改修を手掛けるという縁で、実現したそうです。安藤さんの建築は、デザインは面白いのですが、デザインとコンセプト重視のあまり、動線が・・・(以下略)私たちが気にするところのものではありませんが、本当にそれでいいのでしょうか

夕方は雑用のため再び大阪に戻り、京野菜の接方来で夕食。Takaの誕生日を少し早めに祝って、盛りだくさんな1日の締めとなったのでした。

2013年6月29日 (土)

春鹿寄席 第三十一盃

 今日は春鹿寄席の日。

 暑い夏を、笑いで吹き飛ばしたいものです。

 Elliは、一足早く出て、この寄席を通じてお友達になったMさんと奈良散策に。

 何枚か写真を撮ったので、適当にコメントをつけておいてとのことなので、ご紹介させていただきます。

 まず、一枚目。

20130629_harushika_01

 ふむふむ。 どうやらこれは、東大寺のようですな。 この建物の中に、大仏様が鎮座されとるわけですな。 しかし、半端ない暑さなのに、この人混みはなんなのでしょう。 Takaなぞは、この光景だけで熱中症にかかりそうです。

 お次はっと、

20130629_harushika_02
 東大寺に併設されて建てられた、東大寺ミュージアムだそうです。 うーん。 こちらは、なんとなく涼しげで良いですね。(ただ、単に人が見当たらないだけとの説も)  しかし、奈良時代の頃から歴史のあるお寺の建物なのですから、“ミュージアム”はイケてないのでは・・・? いっそのこと、分かりやすく大仏博物館で良かったのでは? あぁ、これじゃ、大英博物館のフランスバージョンみたいでだめか・・・

それでは、最後。

20130629_harushika_03
 鷺池の浮見堂ですな。 浮見堂が水面に反射してなかなか 涼しげで Good な写真だとは思いませんか。

 閑話休題

 本日の寄席は、 これです↓

20130629_harushika_04

錚々たるメンバーが揃いました。

 まずは、いつもの通り、純瓶さんの奈良創作落語。 今日のお題は「振り米」。
 

 
 病に伏せっている人に、米を入れた竹筒を振って、音を聞かせると、病が治り元気になるという伝承を題材としたお話でした。 奈良の都で吉野より来た僧侶を、助けたお礼に、春日大社で祀られていたお米をいれた竹筒をもらった男。 3回だけという条件の下で「振り米」として使うことができるとのこと。 まさかとは思いながらも、死にかけの犬に試してみると、なんと、元気になったではありませんか。 この男、この力で一商売(&、お嫁さんGet)を企みます。 最後には、お城のお殿様に対して使おうとするのですが・・・

 次は、桂福丸さん。 我々は、春鹿寄席では2回目になります。 お題は、「転失気(てんしき)」です。

 寺の和尚さんが、医者に身体を診てもらって、薬を処方されるときに、「てんしきは、ありますか?」 と、問われるところから始まります。 和尚さん、「てんしき」 と言われてもよく分からないので、とりあえず、「ありません」と答えます。 医者は、それなら、そのことも加味して薬を調合すると言い残して帰ります。 和尚さん、後から不安になり、なんとか、「てんしき」とは何かを知りたくなり、小姓に、「てんしきとは何か?」と問います。小姓も知らないので、「知らない」と答えると、和尚さん、あろうことか、「昔、教えたであろう、このままでは、また忘れるであろうから自分で答えを探してこい」と言いつけます。 この後、小姓は、「てんしき」と言うのが「オナラ」のことであり、和尚さんも知らなかったということを知ります。そして、仕返しをするために一計を案じます・・・ あぁ、あ・・・ の世界が繰り広げられます。

 そして、お次は、桂三歩さん。 なぜか、演台に上がるだけで笑いの渦が・・・、お題は、桂文枝(旧 桂三枝)さんの創作落語「悲しみよありがとう」。

 恩師の先生が亡くなられたお通夜に集まった同窓生の会話が綴られます。 主役は、4つ上の姉さん女房をもつうだつの上がらない男。 通夜の席にもかかわらず・・・ の行動に。(いろいろと問題もありますので、詳細は控えさせて頂きます。 まぁ、人の不幸は密の味 を寺でいく話しでした) とにかく、三歩さんの語り口が完全にはまり役で。会場は抱腹絶倒の嵐でした。

 そして、最後は、再び純瓶さんの古典落語「犬の目」

 これまた、医者が出てきます。今度の医者は、目医者さんです。 目が見えづらくなった男が、知り合いの紹介で、少し胡散臭い目医者にかかります。 この目医者、患者の目の玉を取り出し、きれいに洗うことで再び、よく見えるようにするという荒技の医者。 男もこの処置を施してもらう訳ですが、なんと、医者の弟子が取り出された目を洗った後、干しておくと、なんと、その目を犬に食べられてしまうという大失態。 困り果てた医者、その犬の目を繰り出して、男の目に戻します。 はてさて、どうなることやら。

20130629_harushika_05 ということで、お腹が痛くなるくらい大笑いして、噺家さん達との酒宴に突入。 

 いつもながらの楽しい時間です。

 
 純瓶さんは、奈良にある生駒の聖天さん(宝山寺)によく参られるそうです。 奈良の地に愛着をもたれているのですね。 奈良創作落語、百話完遂まで、是非、頑張って下さい。


 今日は、取り置いて頂いたこのお酒を買って帰りました。

20130629_harushika_06

2013年4月27日 (土)

春鹿寄席 第三十盃

 今日は、お楽しみの春鹿寄席。

 前回、急遽、実家に帰らなければならなかった Elli も復帰。

20130427_harushika_01

 我々が、春鹿寄席に初めて参加させていただいたのが第二十五回目で、今日が第三十回目。 蔵の方にも覚えていただけるようになり、また、少しずつ、馴染みの方も増えてきました。

 まずは、主催の純瓶さんの創作奈良落語。 今日のお題は「風袋」。

 冬の冷気を柿渋を塗った袋に溜めて、夏の暑い日に解き放つことで涼を味わおうと画策した和尚さんと、ちょっと面倒くさがりの小姓のお話です。 冬の寒い日に和尚さんに言われて、半信半疑でしぶしぶ冷気を袋に溜めた小姓。初夏の暑い日に、まさかと思いながら、袋を開けてしまいます。 すると、信じられない涼しい冷気が・・・。 まぁ、和尚さんも忘れているだろうと思い、なんと、その袋に少しずつ、オナラをため込んでいきます。 ワルですな。 しかし、和尚さん。 忘れては居なかったのです。夏の一番、暑い日を待っていたのです。 さて、どうなることやら。

 次に、生寿さんの「悋気の独楽」。 “悋気”は り・ん・き と読みます。 意味は、やきもち、嫉妬です。 ボキャ貧のTaka ・・・お 恥ずかしながら知りませんでした。

 大店のごりょんさんが旦那が妾さんのところに行っていると知りながら、店の者にその所在を尋ねていくお話です。 最後には、妾さんのところから帰ってきた丁稚と、その丁稚が妾さんからもらった独楽を用いたやりとりが見せ場です。 もともと声質の高い生寿さん。見事に、いろいろな登場人物の声色を変化させながら、この話しを楽しませてくれます。

 次は、再び、純瓶さんの古典落語で「代書屋」 昔、まだ字を書けなかった人がいた時代の履歴書作りのお話。ちょっと風来坊の男が、職を得るために履歴書を代書屋さんに作ってもらうのですが、元来、履歴書の意味そのものが分からない男。 代書屋さんの質問に答えながら、それを履歴書に仕立てていくのですが・・・  純瓶さんの代書屋さんの口ぶりが、それを聞いているだけで笑えてくる演目でした。

 トリは、笑福亭松鶴師匠の直系である伯枝さん。お題は「天神山」。変ちきの源助という、本能的に人が言うことと真逆の方向に突っ走ってしまう変わり者が花見に行こうとしていた、人から「花見に行くのか?」と問いかけられて、すでに真逆エンジンが全開で、「墓見に行く」と行って、お墓に行くところから繰り広げられるお話です。 でも、最後は、少しほろっとさせる人情話。 伯枝さんのクリクリとした大きな目で語りかけてこられる大作でした。

 さて、落語で大笑いした後は、出演された噺家さんと楽しむ春鹿のお酒。

 実は、生寿さんのご実家は、Taka家 とそう離れていない場所。 ローカルな話題で盛り上がってしましました。 あまりにもローカルでドン引きされていた他の方、ごめんなさい。

20130427_harushika_02

 帰りしな・・・ こんなお酒が売られていたので、ラベルにつられて買ってしまいました。

20130427_harushika_03

2013年2月16日 (土)

春鹿寄席 第二九盃

20130216_harushika_01 今日は、今年最初の春鹿寄席。

 前回は、他の予定が入っていたので、泣く泣く欠席。 ですから、今回は満を持しての参加。

 ちょうど、春鹿さんの蔵見学の日でもあったので、Elli が是非見てみたいとのことで、早々にW予約。

        ・・・だったのですが、

 なんと、 Elli のお母さんが体調を壊されて、Elli は急遽、徳島へ。

 ということで、 残念ながら Taka のみの参加。

20130216_harushika_02
 さて、本日の演目。
 

 まずは、純瓶さんの創作奈良落語。 「奈良町陰陽師外伝」 春鹿さんのある通りを真っ直ぐ西に行くと、ならまちの一画に陰陽町という地域があり、その昔、陰陽師が沢山すんでいたとのことです。 ですが、江戸時代以降は、仕事も減り、なんとかして(ちょこっと人を騙して)お金を稼ごうとした二人の陰陽師のお話でした。 でも、騙すつもりが、逆に騙されてしまったというくだりのお話です。 

 陰陽師は、安倍晴明を代表とする京都の専売特許だと思っていましたが、お勉強になりました。

 次は、笑福亭右喬さん。 初の春鹿寄席。 お題は「二人癖」です。 一人は「つまらん」、一人は「一杯飲める」という口癖をすぐに言ってしまう二人。お互いの癖を直そうとして、口癖を言ったら、千円の罰金を払うというお話です。 口癖を直すという目的が、だんだんと、相手に口癖を言わせて、罰金をとってやろうとなってきて、あの手この手の企みを考えるところが面白いところです。

 次に、講談の旭堂小二三さん。 小二三さんも初の春鹿寄席。 お題は「出世の白餅」です。 戦国武将、藤堂高虎の出世話ですが、豪放磊落な性格を、歯切れの良い口調で語られます。 うーん、まさに今はやりのハンサムウーマン。 枕も面白くて、本名が陀保さんとおっしゃられるのですが、中学生の頃、他の生徒が先生に「どあほっ!」としかられた時に、“どあほ”が、“だほ” に聞こえて、思わず「ハイ」と言ってしまったとか。。。

 最後は、いつもの通り純瓶さんの古典落語。 お題は「禁断の関所」 禁酒令が出た城下のお侍さんが、なんとしてもお酒を飲みたくて、町の酒屋から密かに、自宅へお酒を運ばせようとします。 一方、酒屋はなんとか、お酒が持ち込まれないかを取り締まる関所を通過させようとして、あらゆる手段を考えますが、関所で見破られてしまいます。 しかし、その関所の番人も無類のお酒好き。 吟味と称して、お酒を平らげて行きます。そして、その顛末は・・・ 酒屋の小僧の一人が、関所の番人をぎゃふんと言わせるためにはかりごとを、・・・笑えます。

 
 Elli には申し訳なかったですが、忙しい日が続いていたので一服の清涼剤となった一日でした。

20130216_harushika_03

2012年9月22日 (土)

春鹿寄席 2012秋の陣

20120922_harushikayose_01 今日は春鹿寄席の日。

 先週、酒蔵まつりで来たばかりの奈良町。 

 まだ少し暑いですが、それでも先週に比べると格段に涼しくなりました。

 本日は、レギュラーの笑福亭純瓶さんの他に、準レギュラー(?)の旭堂南青さん、そして、笑福亭遊喬さんが出演されます。

20120922_harushikayose_02

 まずは、いつもの通り、純瓶さんの創作奈良落語です。題名は・・・ あれっ、何だったけ。言わはったかな? 薬味のネギ? 役見の禰宜? 名だたる三輪の素麺を食しに来たお殿様の接待の際に、「薬味の葱」という言葉を「役見の禰宜」と勘違いした村衆が巻き起こす大騒動。 勘違いの故に段々と不幸になっていく大三輪神社の禰宜さんの描写がリアルで面白い演目でした。

 次が、旭堂南青さんの明智光秀にまつわる講壇。 最後にホロリとさせる演目でした。しかし、どこが本当の話で、どこが作り話なのか、それを想像するだけでも楽しいです。

 その次が純瓶さんが、本当はトリにと思ってらっしゃった笑福亭遊喬さん。 師匠の松喬さんからの急な呼び出しがあり、すぐに大阪に行く必要がありトリでは無くなったそうです。実は、南青さん。 てっきり遊喬さんがトリ。すなわち自分の次は、再び純瓶さんだとおもっていて、“めくり”を純瓶さんに変えて退席しようとしたところ、遊喬さんが出てこられて、慌てて、“めくり”を遊喬さんに変えるというハプニングもありました。 

20120922_harushikayose_03  さて、演目は「竹の水仙」という古典落語です。

 見所は、宿を経営する主人と泊まり客の左甚五郎のユーモラスな掛け合いです。

 左甚五郎と言えば、昨年の秋、日光東照宮でみた眠り猫を思い出しました。

 そして、最後に再び純瓶さんの古典落語。 演目は、「応挙の幽霊」 素直に笑える幽霊話。これには会場も抱腹絶倒でした。

20120922_harushikayose_04 さて、2時間にわたる落語、講談が終了した後は、お楽しみの交流会。

 今日のお酒は写真の二種類。

 雫下 二百十日熟成春鹿純米吟醸生酒 は、少し甘めですが清々しい香りが立つお酒でした。 なんでも、大使館などにも納められることになったとのことで、今西社長さんも感慨深げにこのお酒を紹介してくださいました。

 もう一つの赤鬼は、日本酒度 +13 という山廃仕込みで醸された超辛口のお酒です。 

 純瓶さんは、この2つのお酒を1:2でブレンドしたものを絶賛されていました。

 Takaもそれが飲みたいというと、蔵の方は「えっ、本当に飲むんですか?」と驚きの表情。

「それは、奨めませんよ」というオーラがありありでしたが、いざ飲んでみると不思議に美味しく感じました。

20120922_harushikayose_05 純瓶さん、南青さんともたっぷりとお話ができました。
 興味深かったのは、講壇は部分的に作り話があるけれども、落語は史実があれば、それは譲れないとのことでした。

 また、落語のオチには、色々な仕掛けがしてあり、単に一つのオチだと思っていても、実は、もう一つのオチが仕掛けられていたりと、奥が深いのだそうです。(すみません、聴いたことを上手く表現できませんが・・・

 他のお客様とも色々とお話ができ、相変わらずの楽しい一日でした。

20120922_harushikayose_06 

より以前の記事一覧