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2014年5月17日 (土)

霊山寺のバラとスリランカ料理

 20140517_ryosenji_01_21週間遅れの母の日、Taka母様を連れて霊山寺のバラ園を訪ねました。真言宗のお寺にバラ。不思議な取り合わせですが、第二次大戦でシベリア抑留を経験した住職が平和を願って、寺の鬼門の方角に植えられたのだそうです。

 奈良には、他にもバラで名高い寺があり、うち「おふさ観音」ではバラの咲く庭を仏の世界に見立て「花まんだら」と名付けています。極楽浄土の花園なのですね。

  境内入り口には鳥居があり、神仏習合の大らかさが漂っています。

  バラ庭園に足を踏み入れると、色とりどりのバラが迎えてくれます。

  20140517_ryosenji_02            噴水オブジェとコラボ。設計は京大農学部。

 20140517_ryosenji_03                  華やかなアーチ。
            
  20140517_ryosenji_04                    色の饗宴。

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              喫茶室のテラスでバラのアイスクリーム。

 20140517_ryosenji_06                   空に向かって・・・

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                    陽光のごとく

 20140517_ryosenji_08                         艶やかな彩り。

 

20140517_ryosenji_09 バラを堪能した後は、国宝の本堂に参詣。鎌倉時代の建造です。

 寺院自体は、天平年間、孝謙天皇により建立。病気平癒を祈願したことにちなんで、境内には日帰り入浴の出来る薬師湯などもあります。真言密教の寺らしく、山道を辿って奥の院まで行くことも出来ます。またの機会に訪ねたいところ。

            お寺を出て、新緑の生駒山をドライブ。20140517_ryosenji_10

             遠くアベノハルカスが霞んでいます。 20140517_ryosenji_11
 締め括りは、山麓のスリランカ料理ラッキーガーデン。夕景から夜景へと変わっていく大和盆地を眺めながら、朝採り野菜とスパイスの効いた料理を味わいました。皆にとって充実した母の日でした。

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2014年5月13日 (火)

水仙香る蓬莱山と琵琶湖の眺め

  五月晴れの空が広がっています。GWは終わりましたが、一年でもっとも良い季節はまだまだ続きます。平日ですが、お休みを取って滋賀の蓬莱山へ行ってみました。HPの情報では、水仙が見頃とか。また手頃な縦走ルートも充実している様子。山道を2時間で登ることも出来ますが、今回は週の中日ということもあり、ロープウェーを使って、のんびり山上で散策することにしました。

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  眼下に広がる新緑。山腹を上がるにつれ、季節を遡り、柔らかく萌える新芽の色が、点描のようなっていきます。数分の空中散歩で、標高1087mの山頂駅に到着です。

  冬はスキー場となるびわ湖バレイ。リフトを横目にならだかな草地を歩くと、ほどなく水仙の丘。遠目からだと緑の斜面に黄色がまばらにしか見えませんが・・・
                      

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                 近付くと一面の黄色。 

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               青空へ延びる小径を登り・・・

 水仙の丘から、蓬莱山へ。 20140513_biwako_06_3

 標高1174mの山頂は、広々した草原の丘。

 青い水を湛えた琵琶湖を見下ろします。

 その先には、笹原に延びる緩やかな縦走路。

 右手前方、蒼色の小さな窪みのように見える小女郎ヶ池を目指します。

 

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           森と琵琶湖を眺めながら、のんびりと歩く道。

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                     振り返れば、蓬莱山。

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  20140513_biwako_14 小女郎ヶ池に到着。伝説があります。麓に住む若い妻(お孝)が薪採りの最中に、この池の主である蛇の化身の青年に魅入られ、夜な夜な池まで通うようになります。不審に思った夫が後を付けると、お孝は自分の左目をくり抜き「赤子に乳の代わりにしゃぶらせるように」と言付けて、池へ入ってしまいます。池の名の由来は、孝女郎が転じて小女郎になったと伝えられています。

  ここでお弁当。

  池から蓬莱山に戻る道の辺、小梨の花も咲いています。

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  水仙の丘に戻ると・・・

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              午後の陽を受けて、水仙の花びらが煌めいています。

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                               透けるような黄色の花の群れ。

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 水仙と琵琶湖の眺めを堪能して、朝よりも青い湖面を見下ろしながら、再びロープウェーで山を降りました。 色んなルートがあるようなので、また訪れてみたいです。

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2014年5月11日 (日)

緑風の宇治散歩

 Takaが長期出張から帰ってきました。本日も、薫風香る五月晴れ。時差ボケ解消とリフレッシュを兼ねて、宇治を歩いてみることにしました。JR宇治駅で下りて、散策開始。老舗の茶屋などが並ぶ商店街を抜け、宇治川を渡ります。

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                                   夢浮橋からの眺め

 澄んだ水面と新緑がきらめいています。さわらびの道から仏徳山の展望台まで緩やかな坂道を登っていきます。

20140511_uji_02                                    頭上を彩る楓の新緑

20140511_uji_03                                       山ツツジの花

           展望台からは、宇治の町が一望できます。

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             平等院も木立の中に鎮座しています。

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          再び山道を下りて、麓の宇治上神社にお参り。

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20140511_uji_07   境内には清水が湧いています。桐原水といい、宇治七名水のうち現存する唯一の湧き水だとか。

   宇治川沿いに出ると、ちょうどお昼時。福寿園の宇治茶工房で、茶蕎麦をいただきます。少しですが待ち時間があり、思ったより時間がかかってしまいました

 茶房を出て、少しだけ上流に行くと、興聖寺があります。ここは、宇治きっての紅葉の名所。山門から琴坂へと続く楓の並木、今はみずみずしい青葉の回廊です。

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 興聖寺を出て、川を上流に向けて散策。清流にかかる楓の若葉に光がしたたっています。

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                 天ヶ瀬吊り橋を渡って・・・

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20140511_uji_13_7 閑静な山と川の眺めを愛でつつ、下流へ戻ります。

 塔の島まで戻ると、何やら舟が浮かんで、太鼓が勇壮に鳴っています。

 龍の形の舟に、思い思いの衣装と幟で時間を競う、宇治川・源平・龍舟祭という催し。笛太鼓の音頭に応援の掛け声も飛び、なかなかの熱戦についつい見入ってしまいます。

 川と緑に心洗われた一日の、思いがけず賑やかな締めくくりとなりました。

2014年5月 6日 (火)

新緑の多武峯談山神社

 Taka引き続き長期出張中につき、Elli一人で過ごすGW最終日。今日も好さげなお天気です しつこい喉と鼻も、さらにマシになったことだし、再び一人歩きに出掛けてみました。行き先は、人込みの苦手なTakaなら避けそうな名所旧跡の中から、談山神社に決定。紅葉で名高い古社。この季節は、新緑と山吹に彩られます。

  談山神社には、JR桜井駅からバスで向かいます・・・が、事前にバスの時間を調べずに駅に着いたら、バスは10分前に出たばかり 次のバスは1時間半も後。途方に暮れてガイドブックと地図を開けると、歩いて行けそうな範囲に阿倍野文殊院と聖林寺が。談山神社に向かうバスは、聖林寺なら通ります。聖林寺まで15分ほどの道のりを歩いて行くことにしました。

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 途中、古墳をかすめ、駅から続く市街地を抜けると、談山神社の鳥居が立っています。この下をくぐって談山神社への古い参詣道が延びています。多武峰街道。往時の面影を残す街並みの中に、造り酒屋が一件。炭山神社の御神酒を納める、西内酒造。蔵のお店で、Takaにお土産の一本・・・と思うところですが、行程が始まったばかりでさすがに買うわけにはいきません

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 街並みが途切れ、田畑の中を山沿いへ数分のぼった小高い山裾に、聖林寺があります。明治以前、談山神社は妙楽寺という名の仏教寺院でした。聖林寺は、その別院の一つ。全てが談山神社へとつながっています。

  山門からは大和盆地への眺めが開け、正面では三輪山が古墳を見守っています。

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 本尊の子安地蔵にお参りした後、本堂から渡り廊下を渡ると、国宝の十一面観音が祀られたお堂があります。 他に何もない空間の中、足元から頭頂まで流れの美しい立ち姿で、凜然とした面持ちを投げかけています。厳かな麗しさに浄化されるような15分間。

 バスの時刻になり、談山神社へのバスに乗車。里から谷沿いに山道を入っていきます。 多武峰のバス停で下りると、せせらぎに屋形橋がかかっています。朱塗りの欄干の間を渡り、杉木立の中をしばし歩くと、楓の木立の下に、石碑と東大門が現れます。

20140506_danzan_04 ここからは、楓の新緑に覆われた登り坂。

 時刻は12時前。参道の土産物屋で、串コンニャクとトチ餅で軽く腹ごしらえし、いざ境内へ。朱塗りの鳥居をくぐり、光したたる青葉の下、石段を登っていきます。・・・と、人がぱらぱらとしかいません。連休とは思えない静けさ。受付の方に尋ねると、昨日までは結構人がいたのに、最終日の今日は、ぐっと参拝客が減ったそうです。2日前の室生寺の人出が嘘のよう おかげで、閑かな境内が楽しめます。

  山肌に2つの段を成して広がる境内。石段を上がり、左右に歩くたびに、明るい緑の中、檜皮葺の屋根に壁の朱塗りも鮮やかな社殿が、次々と現れます。

20140506_danzan_05                     神廟拝所と十三重塔 

 今でこそ神社ですが、明治の廃仏毀釈までは「多武峯妙楽寺」というお寺だった談山神社。神廟拝所の如意輪観音像(特別公開の時以外、写真展示のみ)、多武峰の象徴といえる十三重塔は、お寺であったころの名残り。

20140506_danzan_07                          十三重塔

 端正な構造美を見せる建築群の間には、山吹・・・
20140506_danzan_10                           

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 石楠花といった季節の花が、緑風に揺れています。自然の中に、計算された舞台のような美しさ。




 

楼門をくぐり、畳敷きの拝殿に上がると・・・






20140506_danzan_06a_2                          拝殿

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 御簾と柱の額縁に新緑が広がっています。

 朱塗りの日光東照宮のモデルとなった、本殿(畏れ多さに写真は撮らず)は凝った造りで、精緻な美があります。




20140506_danzan09_3                                       拝殿の吊灯籠

20140506_danzan_13 社殿を一通り巡って、次は境内の西端から延びる山道を登ってみます。10分足らずで、談(かた)らい山に到着。談山神社の名前の由来となった所です。大化の改新の前、中大兄皇子と中臣鎌足が、この地で蘇我氏討伐の密談を行ったと伝えられます。

 鬱蒼とした木立に覆われた広場の中に、会談の場所を現す石碑が置かれています。

 そこからさらに緩やかな坂を登ること10分、御破裂山に出ます。こちらは、中臣氏あらため藤原鎌足の墓所があります。鳥居が建ち、宮内庁管理となっているところ、藤原氏の権勢を偲ばせます。裏手に回ると、春霞の二上山と大和盆地が見えました。

 今一度、山吹と皐月の花々を愛でながら、山内を下り、今度は明日香まで歩いてみることにしました。現地の立て看板で知った、明日香まで4kmの道と、近鉄のてくてくマップに出ている万葉展望台経由の道と、二通りの行き方があり、万葉展望台経由のコースを選んでみました。

20140506_danzan_14 談山神社の西大門跡を過ぎ、民家と田畑のある一画から大和盆地を見晴らした後、人気のない細い車道を杉林の中へと入っいきます。途中、石仏が並ぶ山中への坂道を辿ると、念誦崛(ねずき)と呼ばれる、石塚が祀られています。増賀上人という、平安時代の高僧の墓。他に訪れる者もなく、文字通り山中にひっそり眠っています。

  ほどなく、万葉展望台への道標があり、山道に入ります。辺りは、ひたすら杉林。鬱蒼とこもる木立の陰を和ますかのように、時折、石仏が佇んでいます。1kmほど歩いて、万葉展望台に出ました。明日香から大和三山の向こうに二上山を一望する眺め。曇り空で霞んでいるのが残念。

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  一服して、明日香へ下りていきます。再び暗い杉木立の中、誰も居ません さすがに、不安 明日香に4kmで出る道の方が、よかったかも。早く杉木立から抜けたい、と思うこと20分、山道を抜け、車道に出ました。

20140506_danzan_15 左右に柿畑の広がる中、明日香の里を見下ろしながら下りていきます。柿の若葉が、つやつや輝いています。上居という集落にくると、向かいに稲淵の棚田が広がっています。水が張られ、田植えを待っているよう。早苗が植わると、綺麗でしょう。彼岸花の頃も、訪ねてみたいものです。

 ほどなく眼下に石舞台古墳が見え、明日香への山越えは終わりました。明日香から人が歩いて行き来できる距離ゆえ、多武峰で大化改新の密談ができたのですね

 途中、人寂しい思いもしましたが、歴史の道を辿った充実した一日でした。

2014年5月 4日 (日)

石楠花の室生寺とボタンの長谷寺

 GW返上で長期出張中のTaka。Elli帰省の予定でしたが、春風邪がすっきり治り切らず諦めて、関西残留 とはいえ、鼻水と喉だけで、不思議と全身状態は悪くありません。お天気は好いのに、家で燻っていると、免疫力まで燻ってしまいそうです。ここは一念発起(?)出かけることにしました。行き先は、この時期、石楠花が花盛りとなる室生寺。人混みが嫌いなTakaがいると、 ほぼ100%行けない所です。

  近鉄室生口駅から東海自然歩道を歩きたいところですが、体調が万全でない今日は、バスに乗ります。新緑に彩られた川沿いに出ると、対岸の岩壁いっぱいに刻まれた石仏が目に飛び込んできます。大野寺の弥勒磨崖仏。高さ11.5mの迫力に、思わずカメラを構えます。が、車窓からiPhoneで撮影は難しく、仏様は通り過ぎてしまわれました

20140504_muro_01a バスは、山の若葉がみずみずしい渓流沿いを走り、15分ほどで室生寺の門前へ。川沿いに土産物屋や食事処の並ぶ通りを抜けて、太鼓橋を渡り、山門をくぐると、もう石楠花の花園。この辺りの花は咲いたのが早かったのか、もう終わりかけています。

 立派な佇まいの仁王門から、境内へ。なぜこんなに植わっているのか不思議なほど、至る所にあふれかえる石楠花。

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予想はしてましたが、拝観者もあふれています 石楠花に彩られた鎧坂の石段も、人だらけで写真を撮るのに一苦労。普段のカメラはTakaが出張に持って行ったので、iPhoneのカメラで思うように構図が取れません

20140504_muro_04 こんなに参拝客が居ながら、山懐に抱かれた境内一円を、深山幽谷の閑けさが支配しています。金堂で、艶やかかつ凜と締まったお姿の諸仏を拝み、再び花の中へ。寺に石楠花がある、というより、 石楠花の中にお寺があるようです。花の上を、楓の新緑が覆い、心洗うような光を注いでいます。

 本堂で菩薩様にお参りして、室生寺の象徴ともいえる五重塔へ。1998年、台風で被害を受けましたが見事に修復され、楚楚とした姿を現しています。

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20140504_muro_06 裏手に回ると、紅の花蘇芳もあでやか。

さらに上へと続く石段を登って、奥の院へ。この辺りの石楠花は、満開を迎えたばかり。みずみずしい花姿を見せています。とはいえ、こちらの石段は、かなり急。花に見とれてばかりいられません。お寺の入り口の仁王門から数えると、上まで700段はあるとか。喉風邪が完治してない状態で、楽な所を選んだつもりが、山歩きめいた行程と化しております

 石段を登り切ったところには、深い杉木立の中に舞台造りのお堂と、弘法大師を祀る大師堂が佇んでいました。

 山の空気に包まれながら、10年に一度の花付きと言われる石楠花を愛でつつ石段を下りました。山深く、俗世を離れた清浄さ漂う境内でした。

 寺を出ると、3時。ちょうどこの時期限定で長谷寺まで直通バスが出ています。 長谷寺は、今ボタンが見頃。せっかくだから、乗ってみます。立派な観光バスで、快適。芽吹き立ての緑に山桜が散らばる山間を縫って行きます。時折、現れる棚田では、田植えをしています。田園の眺めに癒やされる内に、長谷寺に到着しました。

  江戸時代から観音霊場として栄えた長谷寺は、門前に土産物屋や食事処が続き、賑やかな雰囲気で俗界に戻ってきたよう。山門をくぐると、長い回廊の両脇を埋めるように、牡丹が花開いています。色鮮やかな牡丹は、四季折々の花に彩られる寺の華やかさを象徴しているよう。

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20140504_muro_08 回廊を上り詰めると、本堂ではちょうどご本尊の十一面 観音の特別拝観中。普段は、礼堂の窓からお顔だけを覗かせていますが、特別拝観では、観音様のいる仏間に足を踏み入れ、高さ10mのみ姿をじかに仰ぎ、足元に触れて御利益を授かります。下から見上げるお顔は、前から見るよりも遙かに高く、ずっしりとそびえる体躯に威厳が重く満ちます。

 改めて礼堂から観音様にお参りし、初瀬山の断崖に張り出した舞台から辺りを見下ろすと、境内は一面の楓の新緑の海。紅葉の頃が偲ばれます。

  本堂を下りて、境内を一巡。花寺らしく、進むごとに違う季節の花が現れます。しゃくなげ、つつじ、花卯木・・・ よく計算された、見目麗しい植え方。

 

20140504_muro_09                        花卯木


20140504_muro_10                        小手毬と牡丹


20140504_muro_11                       本坊から牡丹と本堂
      

 5月の花を満喫し、帰りの客でなお賑わう門前町を帰りました。華やかな大和路の春でした。

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