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2012年3月24日 (土)

伏見 温故知酒

 思えば3月10日・・・ 鴨鍋ツアー(あれっ、そんな名前だったっけ? まぁ、いいか)の利き酒会で、こともあろうに Elli に大敗北を喫した Taka。 まったくをもって不甲斐なく、あらたに精進することを誓ったわけでありまするが、 その先駆けとして、本日は伏見に繰り出しました。 その名も、

            第6回 日本酒まつり

 この中で、蔵元イベントとして、多くの酒蔵が蔵開きをされるのです。酒造りに魅せられてしまった Taka 垂涎の催しです。 本日、行ったのは、藤岡酒造さん、斉藤酒造さん、そして、松本酒造さんの三蔵です。

 まずは、藤岡酒造さんです。

20120324_fushimi_01a  「蒼空」というお酒を造ってらっしゃいます。

 150石という本当に少量しか造っておられませんが、見学会では、蔵元自らが説明してくださり、少量のお酒を手塩にかけて一つ一つを大事に造ってらっしゃるのがひしひしと伝わってきました。

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 詳しい内容は、姉妹ブログ「酒の記」で。。。

 ここでは、まず、受付で600円を払うと、お土産用の酒粕と、試飲券2枚を下さいます。あとは、自分で好きなお酒を試飲したり、肴を買って極楽の一時を過ごします。 本当に美味しいお酒でした。

20120324_fushimi_03 次に向かったのが、斉藤酒造さんです。「英勲」というお酒を造っておられます。

 この蔵は、先ほどの藤岡酒造さんとは違って、とても大きな蔵です。 蔵見学の際も、見学場所毎に、その箇所を担当されている方が説明して下さいました。

 京都原産の酒造好適米である「祝」を積極的に使われいる蔵でもあります。

 ここでは、1000円の金券(試飲券1枚がついています)を購入して、お酒を飲んだり、食べ物を食べたりします。 お昼時だったこともあり、ついつい飲み過ぎ、食べ過ぎ・・・ 金券を4綴りも使ってしまいました。。。

 最後が、松本酒造さんです。 松本酒造さんの建物は、よく映画やドラマのロケで背景になることが多く、先日まで放映されていたNHK朝の連続テレビ小説「カーネーション」でもロケに使われていたそうです。 こんな感じ・・・

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20120324_fushimi_05 受付で、入場券を1000円で購入すると、お土産の酒粕引換券と、3回分の試飲券を下さいます。

 すでにかなり千鳥っていますが、本日最後のお勤めを。 

 蔵内では、フラリーパッドさんのミニコンサートも開かれていました。

 酒まつり終演時間の16時まで楽しんで、酔い覚ましも兼ねて運河沿いを散策。 いつのまにかこんなのができていました。

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 どうやら、坂本龍馬とお龍さんの銅像の様です。

 うん?

 あれっ、

 あぁっっっっっっっ

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 どうみても・・・ 坂本龍馬は、福山雅治さん。。。。

 伏見に一つ新名所ができましたね。

 もう3月も終わりに近づき、どこの蔵も酒造りを終えられます。 ちょっと淋しい気持ちです。

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2012年3月22日 (木)

高取を歩く~壺阪寺とお雛さま

20120322_takatori_01  3月も下旬。「お水取りが終わったら、温かくなる」「暑さ寒さも彼岸まで」と言いますが、日中はようやく寒さが弛み、梅も満開になりました。3月らしい気候になったところで、「梅の節句」ならぬ「桃の節句」、高取町の「町屋の雛めぐり」に行ってきました。Taka平日で勤務中につき、Elliのみお友達と2人でお出かけ。 先月、伊賀上野の雛祭に続き、Elliこの春2回目の雛祭りです。

 高取城跡と壺阪寺、どちらと組み合わせるか迷いましたが、今回は壺阪寺を選択。近鉄壷阪山駅からバスで壺阪寺へ

 壷阪山南法華寺という正式名称が示すとおり、山ふところに堂宇が広がる壺阪寺。拝観受付のある講堂から眺めやると、多宝塔や本堂、三重の塔の屋根が立ちのぼるように並んでいます。

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 境内に一歩足を踏み入れると、白っぽい石の彫像が至る所で目に飛び込んできます。

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 境内に一歩足を踏み入れると、白っぽい石の彫像が至る所で目に飛び込んできます。

 昭和40年にインドのハンセン病患者支援をきっかけに、インドへの経済支援の一環として、インドで人間国宝にあたる彫り師の工房に発注した作品群だそう。

 その種類たるや、大釈迦如来、大観音、大菩薩などの巨大物から釈迦の生涯を刻んだレリーフ、はてや『壷阪霊幻記』の主人公、お里・沢市にいたるまで、多種多様 アジャンタ石窟を模した納骨堂まであります。

20120322_takatori_05 703年の創建当時の趣を残す重文の本堂と三重の塔と、えもいわれぬ混交調和を保っています。

 慈眼堂というお堂には、インドの画伯が描いた釈迦の生涯図も。こちらのお釈迦様は、まるでヒンドゥー教の神様のよう 日本とインドの今昔(?)をたっぷり1時間半に渡り堪能して、寺を出ました。

 壺坂寺へ詣でる古い参道を通って、高取の街へ。深い木立の下、川沿いの道はところどころぬかるんでいます。久々の山道に、足がはずみます。半時間ほど歩いて、高取の城下町に出ました。

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 「土佐街道」と呼ばれる、高取の昔ながらの街並み。それにしても、なにゆえ「土佐」?

 時を遡ること6世紀、大和朝廷の労役に土佐から召し出され、路銀が足らず帰郷できなかった人々がこの地に住み着き、懐かしい郷里の名を付けたのだそうです。時が下り、南北朝時代に築かれた高取城の城下町となり、城主や家臣の下屋敷、またこの地に多い薬草を用いた生薬を商う薬問屋が建ち並び(宇陀松山とよく似てますね)、栄えました。街中に入ると、往時の豊かさを偲ばせる立派な町屋が軒を連ねています。

20120322_takatori_07 『町家のひなめぐり』は、それぞれのお宅が持つお雛様を、思い思いに飾って見せてくれます。

 歩いている人が道からでも見えるように、街路に面した窓辺に飾っている家や、土間や座敷に雛壇を飾ってあり、庭先や玄関先まで入って見せてもらうようになっているお宅も。見学可のお宅には「お雛さま展示中」の看板があり、入り口が開け放たれ、気兼ねなく見せてもらえます。

 親しみやすい昭和後期から平成のお雛さま、大正から昭和初期に流行った御殿雛、江戸期から伝わるお雛様まで様々です。中には、生け花や縮緬細工がひときわ美しく彩る古色蒼然とした座敷に、珍しい紫の毛氈を敷いた段飾りも。

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 「雛の里親館」には、20段近くの「天壇のお雛さま」。こちらに飾られているのは、徳島は勝浦町から里子にやってきたお雛様。全国のお雛さまによる町興しの先駆けとなった徳島勝浦のビッグ雛祭り。勝浦はElli父の故郷のため、何度か訪れています。天井まで届きそうな御殿に座すお内裏様とお雛様を、懐かしく眺めました。

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20120322_takatori_10 お雛さまを訪ねながら街の端から端まで歩き、高取城主植村家長屋門跡を仰ぎ、金剛力酒造でTakaへのお土産に地酒を買って、光永寺の「謎の人面石」(明日香が近いのですね)を覗いたら、もう夕刻。

20120322_takatori_11 摩訶不思議なお寺から趣ある街並み、お雛様まで、高取の良さをたっぷり味わい、帰途に着きました。いつか桜か紅葉の頃に、高取城跡まで歩いてみたいと思います。

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2012年3月11日 (日)

蔵みてある記 大倉本家に行く

 昨日の「千代酒造見学と葛城山麓地酒飲み比べ」で、美味なる地酒と早春の霧氷まで見聞し、すっかりご満悦のTaka。今日は、家でゆっくり静養かと思いきや、なんと本日開催の「酒蔵みてある記」に行く、と宣うではありませんか。

 何でも大倉本家という酒蔵で、山廃仕込みを旨とし、過去に行かれた方のブログによると、酒蔵の試飲会場では杜氏が伝統の酒造り唄を披露してくれるそうなのです。確かに、この特色ある趣向を見ると、Takaでなくても行ってみたくなります。それに、朝からとてもいい天気。頑張って家を出ました

 集合場所は、大和高田駅。いつものように念のためのトイレを済ませ、駅舎を出ると・・・

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 駅から鉤状に延びる歩道橋の向こう側まで、行列が続いています。 歩道橋も、その重みで何やらグラグラと微妙に揺れています・・・ 

 このハイキング日和では無理もないとはいえ、何度見てもすごい光景 行列が歩道橋の対岸にある商業ビルに達したところで、15分ほど前倒しで受付開始となりました。 流石に、このまま歩道橋上に人垣ができて酒蔵軍団が歩道橋を破壊したなどとニュースになっては洒落にもなりませんものね。

20120311_ookurahonke_02 駅を出て高田市役所の前を通り、しばらくして右折すると、左手に二上山を臨む田園、右手に天照皇太神社の鎮守の杜ののどかな風景が現れました。

 鎮守の杜の縁を歩いて、さらに右折すると、有井(ありい)の環濠集落に入りました。正行寺から東側、風格のある瓦屋根に黒壁の家屋が並んでいます。昨日の御所の民家と似ています。

 歴史ある区域にいるのは間違いないのですが、どこに環濠が巡っているのか、我々が歩く道からは見えません。集落に入るまで幾度か用水路を目にしたのですが、あのどれかがそうだったのでしょうか?

 JR線の高架下をくぐり、古めかしい民家の並ぶ細い路地を過ぎると、淀んだお濠と緑でうっそうとした小山が見えてきました。武烈天皇御陵磐園陵参考地、築山古墳です。

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 全長210mの大きな前方後円墳。古墳の前の築山児童公園でしばし休憩。小高い丘があるので、上ってみました。ここもカン山古墳という円墳で、築山古墳の培塚です。築山古墳は、この他にも、南に狐井山古墳、東にコンピラ山古墳など大小の古墳を従え、馬見古墳群南群の盟主とか。一大勢力だったのですね。

 築山古墳群を後にしてほどなく、再び田畑が広がり、前方に二上山が姿を見せました。

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 本当に気持ちの良い青空。そこからまた街路に入り、出屋敷公園を通ってしばし歩くと、目指す大倉本家に到着です

20120311_ookurahonke_05 最大の難関は、ここから。ひっきりなしに到着する1100人余の参加者で、酒蔵の中は大渋滞 

 こちらの酒蔵、このあたりはよく考えられていて、工程見学からガラガラ抽選、試飲、販売を経て出口に至るまで、順路を仕切るロープが張られ、常に一方向に人が流れていきます。

20120311_ookurahonke_06 まずは、酒蔵見学。店舗も兼ねた昔懐かしい木造家屋。中庭には、古道具も。

 蔵の中に入ると、工程ごとに張り紙で詳しい説明が書いてあり、よく分かります。恒例の抽選は、今回もハズレ ここから試飲まで、少し長い待ち時間。

20120311_ookurahonke_07 しかしこの間、極上の楽しみが。行列の出来ている敷地にしつらえられた台の上に、但馬杜氏の方が立って、民謡を披露して下さるのです。

 地元但馬の民謡保存会会長を務めておられ、海外公演でも唄われるとか。但馬の祭唄から酒の仕込み唄、故郷を遠く離れて酒造りをしながら郷里但馬を偲ぶ唄まで、素朴ながら哀調ある繊細な節回しで、心に響きます。

 昔ながらの山廃造りで作られたお酒は、熱燗も冷酒も、ふくらみがあり美味

20120311_ookurahonke_08 Takaは例によって、記念に一本購入。

 最後に、粕汁のふるまい。白味噌と酒粕のお汁が濃厚。う~ん、Elliも白味噌の粕汁を作りますが、いったい何が違うのでしょう

 12時前に酒蔵に入り、13時前に人混み、もとい酒蔵脱出。

 正式ルートは五位堂駅に導いていますが、我々は二上山の麓、当麻の里へ。目前に見える二上山をめざして歩き出すと、酒蔵に着くまでは晴れていた空に曇が広がり、向かい風まで吹きはじめ歩行をはばみます。

 二上山に眠る大津皇子の怨嗟 向かい風に難儀しながら、20分ほどで「道の駅ふたかみパーク當麻」に到着。寒風で冷えた体に、おでんのぬくもりが沁みます。

 そのまま二上山ふるさと公園を散策するつもりが、寒風と曇り空にくじけ、素直に当麻寺まで歩くことに。

 寒牡丹で名高い石光寺の前を通り、村里を抜けて当麻寺へ。

20120311_ookurahonke_09                         石光寺山門

 二上山を背に東西の塔に守られるように立つ荘重な伽藍には、太古、この地の豪族の氏寺であった頃の山寺めいた野趣がどこか漂っています。

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 山門を出て、参詣道の左右の趣ある家並みを眺めながら、駅へ。駅前にある草餅の老舗、中将堂本舗で一服。名物の中将餅という草餅が入ったぜんざい。

香ばしく焼いた草餅は柔らかく、餡の汁もすっきりした甘さで、とても上品。お土産の中将餅もしっかり買って、帰途に着きました。これから春のいい季節、二上山登山とあわせての古寺巡りにも来てみたいものです

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2012年3月10日 (土)

千代酒造と霧氷の葛城山

20120310_chiyosyuzo_01 週末がやってきました。今週も飽きることなく、酒造見学

 本日は、近鉄主催でも「酒蔵みてある記」ではなく、「千代酒造見学と地酒飲み比べ」という、れっきとした団体ツアー。

 午前中、酒蔵を見学し、ロープウェイで葛城山に上がり、頂上のロッジで名物のかも鍋を食しながら、4種類の地酒を飲み比べる、というもの。

 Takaには垂涎物のこの企画、Elliのように量が飲めない人間に果たして耐えられるのか?いずれにせよ、かも鍋は美味しそうです。

 朝8時の電車で最寄り駅を出て、9時20分近鉄御所駅に集合。路線バスの空き時間を利用したバスに乗り込み酒蔵へ。本日の酒蔵は、千代酒造。明治6年創業、全国新酒鑑評会で8年も連続で金賞を取っています。バスを降りると、白壁の立派な蔵作りの建物が。

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 中へ進むと、社長兼杜氏の堺さんが自ら蔵を案内してくれました。

 酒造りの各工程を、懇切丁寧に、とても詳しく説明して頂きます。蔵の詳しい説明は、Taka が「酒の記」で書くと思います。

 試飲は4種類。濁酒もありました。お米の粒の形の残った、ごはんの旨みがそのまま入ったような、他にないまろやかな味わい

 

20120310_chiyosyuzo_04 酒粕とワンカップ酒のお土産をもらって酒蔵を後に、再びバスへ。

 車窓から見ると、千代酒造の周りにもあった、重厚な瓦葺きの風格ある純和風家屋が並んでいます。

 葛城山ロープウェー登山口駅に到着。酒蔵の試飲で、すでにほろ酔いのElli。今にも浮かれて歌い出しそうな様に危機感を覚えたTakaに、ロープウェイの自販機でスポーツ飲料をあてがわれ、高地へ上がる前に緊急解毒

 顔の火照りも治まり、どうやら大丈夫。ロープウェーが高度を上げるにつれ、大和盆地の広がりが大きく、大和三山が小さくなっていきます。

 天空の旅を終え、標高900mの高みに降り立つと、一面の雪景色

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昨日降った雪が、しっかり残っています。

 路面は、少し溶けてシャーベット状。滑り止めの荒縄を、靴に巻いている人も。枝に積もった雪が溶けて、頭上には雫がぽたぽた。山頂に向かって緩やかに登るにつれ、頭に落ちる雫が少なくなり、枝についている白い物も、雪から霧氷へと変わっていきます。1月に三峰山で見て以来2ヶ月目の、おそらく今年最後の霧氷。3月の葛城山で見えるとは思っていませんでした。溶けかけの霧氷は透明ではかなげ。綺麗です。 しばし霧氷ワールドを・・・

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 15分ほど歩いて、葛城高原ロッジに到着。昼食の前に、利き酒。先ほど見学した千代酒造の「櫛羅」ほか、梅乃宿「紅梅」、葛城酒造「百楽門」、油長酒造「風の森」の4種類の地酒の銘柄当てに、参加者全員で挑戦です。

 まず銘柄を見ながら口に含んで味を覚え、次に順序を替えて出されたお酒を味見して、銘柄を当てます。どれも美味しいと感じたTaka、飲みにくいか飲みやいかで判断するElli。結果、Elliは2種類正解、Takaはなんと全滅。 これに懲りて、酒から足を洗うのかと思いきや、「ますます精進せねばならぬ」と宣っております。 いったい、これ以上、何を精進するつもりでしょう・・・

 もしかして、許容範囲が狭い方が、違いを感じやすい? ちなみに全銘柄当てられた10名強の方のうち、7~8割が女性でした。

 食事は、葛城高原ロッジ自慢のかも鍋。

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 葛城山の麓で飼育されている鴨。肉の旨味はしっかり、脂身はあっさりして食べやすく、ヘルシーな味わい。鰹と昆布の合わせ出しに柚子の香が効いた醤油ベースのスープが、とてもよく合います。お酒にもよく合う味。〆のうどんも美味しく、すっかり満腹

 出発まで時間があるので、雪景色の中を散策。足下を雪にとられそうになったり、滑りそうになったりしながら、頂上近くの高原へ。ススキも一面に霧氷で覆われていました。

20120310_chiyosyuzo_10                   霧氷に覆われていそうな金剛山

20120310_chiyosyuzo_11                      ススキにも霧氷が・・・

20120310_chiyosyuzo_12                    奈良盆地 畝傍山が見えます

 美味しい料理とお酒(Takaのみ)、春の雪を堪能して、再びロープウェイで下山。心も舌も豊かな1日でした。

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2012年3月 8日 (木)

梅香る大和文華館

20120308_yamatobunkakan_01 本日、齢才の誕生日を迎えたElli。Takaはあいにく遠隔地出張中につき、なんと同じ日に誕生日を迎える()友人の方と、誕生日を過ごすことにしました。

 あやめ池に新しく出来た自然派カフェ"Natura Natura"で、お誕生日ランチ。メインディッシュは、ニューカレドニア産「天使の海老」。頭から尻尾まで食べられて、ぷりぷりの柔らかな食感に、品の良いほのかな甘さ。9年前Takaと旅した時には、こんな美味しい海老があるとは、(食べてたのかもしれませんが)知りませんでした。デザートの盛り合わせもたっぷりで、お腹もいっぱい

 食事が済んで、大和文華館へ。東洋美術の美術館で、庭園には四季折々の花が咲きます。この時期は、梅。5日前、奈良でまだまだつぼみだった梅。果たして・・・ 咲いていました!

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 暖かい日が続いたため、一気に開花が進んだようです。紅梅、それも緋色を深くしたような紅から、枝垂れ梅の可憐なピンク、桜のような清楚な薄桃色、そして、気品のある白梅。

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 赤い梅から順に咲くようで、紅梅はほとんど満開。開花が進んで、黒くなっているものすらあります。ピンク色の梅は、見頃から咲き始めまで。白梅は、つぼみが多く、まだまだこれからも楽しめそうです。

 それにしても、八重から一重、濃いピンクに白い縁取りがあるものまで、様々な梅が集められています。緋色のような紅梅は、鹿児島紅梅というのだそうです。鮮やかな南国の空に、映えそう。

 館内の展示は、「花の美術」。梅、桜、蘭、牡丹、蘭、菊、秋草・・・中国、朝鮮、日本の花を描いた作品が集められています。陶器、掛け軸、蒔絵の茶道具、国宝「寝覚物語絵巻」も。桜と秋草を描いた作品は日本製作かそうでなければ日本向けで、やはり日本独自の感性のよう。

 梅は、写真には難しい花木ですが、水墨画で描くと、ぴんと延びた枝が、筆を引いたり留めたりする描法に、よく合います。中国で、竹や蘭が画題として好まれたのも、同じような事情なのでしょう。水墨画では、あんなに美しく枝振りが表現されていた梅。それが、展示を見終え庭に出て、いざ梅を枝振りまで写真で撮ろうと構えると、枝がごっちゃに重なって、訳の分からない画像になってしまいます。(単にElliが下手なだけとも)思いのままに描ける絵の自由さ、改めて素晴らしく思いました。

 梅がようやく春の訪れを告げているのが嬉しい、花の庭の午後でした。

 

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2012年3月 3日 (土)

奈良町のお地蔵様と白毫寺

 1月以来、毎週のように近鉄主催「酒蔵みてある記」に参加してきた我々。3月に入り、ちょっと趣向を変えてみることにしました。Takaお気に入りの奈良の蔵元「春鹿」酒造見学に申し込んだのです。酒屋の「きとらさん」主催のイベントで、あくまで酒蔵見学のみ。もしかして、お酒をあまり飲めない人には、居づらいのでは?と危惧したElli。場所は奈良町だし、Takaが酒造見学(見学の様子は、後日Takaの別ブログ『酒の記』で)に行っている間、別行動をとり、前から興味のあった十輪院に行ってみました。

20120303_nara_01 十輪院は、奈良時代、元正天皇の勅願による元興寺の一子院で、吉備真備の長男、朝野宿禰魚養(あさのすくねのなかい)の建立とも伝えられています。

 南門をくぐると、国宝の本堂が迎えてくれます。拝観受付をしている様子がないので、ちょうど庭でお勤めをされていたお坊さん(若い女性!)に訊ねると、今日は法要が続くが、もう少しで終わるので、次の法要が始まるまでの間に拝観可能とのお話。

 いったん寺を出て辺りを散策して戻ってくると、さきほどの女性のお坊さんが現れ本堂に入れて下さいました。その後、なんとElli一人貸し切り状態で、色々とお話しを聞くことができました

 こちらには、珍しい「石仏龕(せきぶつがん)」があります。龕とは厨子のことで、つまり「石で出来た厨子」。ご本尊の地蔵菩薩は、平安期から元興寺の境内に立ち、信仰を集めていたところ、戸外で風雨にさらされ傷んでいくのをお守りするために、鎌倉期に御本尊と同じ花崗岩の厨子で覆ったのだそうです。ただ屋根と壁を付けるだけでなく、天井に星辰、壁には飛天、十王、左右に釈迦如来、弥勒菩薩、不動明王など諸像が浮き彫りにされ、唐草紋様や梵字等手の込んだ装飾が施されています。当初は彩色もなされ、今も一部が残っています。石仏龕だけで、一宇を成しています。

 お地蔵様は「子供を守る仏様」と思っていましたが、本来は、あの世とこの世、極楽から地獄をも自由に行き来し、地獄で苦しむ民を救う仏さま。幼くして亡くなる子供が多かった時代、あの世へ行っても我が子を守ってくれる仏さまとして、信仰を集めるようになったのだそうです。勉強になりました。

 十輪院の境内には、開祖と伝えられる朝野宿禰魚養の塚や池を配した庭園もあり、こぢんまりとしながら見応えがありました。

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20120303_nara_03 Takaの見学が終わる12時までにまだ少し時間があったので、福智院に向かいました。

 鎌倉期建立の重文の本堂。元は経蔵だったそうで、裳こしがあるため二重屋根のようになり、優美です。こちらの御本尊も地蔵菩薩。それも「地蔵大仏」と呼ばれる、他に類を見ない、阿弥陀如来と見まごうような堂々たる大きな大きなお地蔵様! お姿もよくある立像ではなく、台座に座しておられます。総高6.76mの巨躯は本堂の天井いっぱいに迫るため、なおさら大きく見えます。その大きな御姿で、全てを受け止めて下さるような、泰然とした穏和なお顔立。

 こちらも、お寺の奥様とおぼしき方が、Elli一人のために寺院の来歴から菩薩像の細部まで、丁寧に解説して下さりました。焙じ茶と海老餅までいただいて、充実した一時でした。

 12時過ぎ、酒蔵見学を終え、ほろ酔いTakaと合流。福智院の奥様に教えてもらった「鶏飯食堂HABUS」で奄美大島のもてなし料理、鶏飯をいただきます。ご飯にかける鶏ガラスープが美味しく、具が無くてもお汁だけでご飯が進みそう

20120303_nara_10 貴重な青空が広がる今日、これまでの寒さがうそのように暖かく、穏やかな散策日和。

 奈良町から頭塔の側を通って、高畑の清閑で緑豊かな界隈に入り、白毫寺へ。

 境内へと上がる石段の両脇の椿は、まだ数輪ほころんでいるだけ。崩れそうな土塀がいかにも大和の古寺らしい風情をかもしています。

 

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 境内には、背後にそびえる高円山に離宮を構えていた志貴皇子の万葉歌碑や、「五色の椿」の大樹があります。

20120303_nara_06  たかまとの のへのあきはぎ いたづらに さきかちるらむ みるひとなしに (犬養先生の筆ですね。)

20120303_nara_07                       わずかに咲く五色椿

椿が咲き揃うと賑わうであろう庭も、やっと数輪が咲いているこの日、訪れる人も少なくひっそりと静まり、高円の森の常緑の緑こぼれるなか、鳥のさえずりだけが聞こえます。本堂と宝蔵の脇から見下ろすと大和盆地が広がり、生駒山、信貴山、二上山まで見晴らせます。伸びやかな、春の兆しをたたえた眺め

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 白毫寺山内を下りて、山里さながらの高畑の町外れを歩き、奈良公園の春日の杜へ。奥の院道から紀伊神社、若宮十五社の座する道へ。木漏れ日が道に清々しく降っています。

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 春日大社まで来ると、のどかな静寂から一転。人通りがどっと増えました。そういえば、今日はお水取り。春はどこまで近づいているのか、春日大社参道を抜けて、浅茅ヶ原の片岡梅林に行ってみました。去年は2月の終わりでよく咲いていたのに、今年はまだまだ花もまばら。早く咲いて欲しい、と話しながら、奈良駅に出て、帰途に就きました。和やかな、春先の休日でした。

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