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2012年2月26日 (日)

酒蔵みてある記 忍者の里を歩き大田酒造へ

 最近、ブログのタイトルを

   酒蔵訪ねて三千里

に変えようかなと真剣に考えている Taka です。

 ほんでもって、今日も行ってきました。 酒蔵みてある記。 今日は近鉄名古屋主催の伊賀上野にある大田酒造さんです。

 ところで、朝、お家を出て歩いていると、こげなものが目の前を横切りました。

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 日本もなんかいい感じです。

20120226_otasyuzo_02 さて、この企画、近鉄電車さん主催なので、近鉄電車で行くのが筋というものなのですが、何分、伊賀上野という地理的条件から、近鉄電車を使うと、Very Expensive についてしまうという事情もあり裏切りのJR利用で行きました。 

 で、まずは、伊賀上野駅につくと、伊賀鉄道忍者電車ピンクのお迎えです。

 あぁ、忍者の里に来たんだなぁ~ と感慨もひとしおです。 受付開始時刻まではたっぷりと時間がありましたので、忍者列車には帰りに乗ることととして、集合場所の伊賀鉄道上野市駅前には、歩いて行くことにしました。 

20120226_otasyuzo_03 目指す上野市駅の近くには上野城というお城があり、それを目印ににトコトコと歩きます。

 2kmちょっとの散歩ですが、途中には、一度ゆっくり見てみたいなと思う場所がたくさんありました。

20120226_otasyuzo_04                       旧小田小学校本館

20120226_otasyuzo_05                        上野城天守閣

20120226_otasyuzo_06               上野城の高石垣(日本でも大阪城と覇を争うそうです)

20120226_otasyuzo_07 集合場所の上野市駅に到着したのは受付開始10分前。 あれっ、 どうしたことでしょう。

 いつもなら、 “うぇっぷ” と 吐き気を催す人混みが現れるところですが、今日は妙に静かです。

 受付スタッフの方が5人ほどおられるだけです。

       し、し、しあわせ~ 

 今日は、人混みに恐れおののくことはないのです。シンデレラマジックで自分をごまかす必要もないのです。 

 スタッフの方から、「行ってらっしゃい!」と優しい声をかけられて、意気揚々として出発です。

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 歩き始めると、忍者の街を実感させられます。 だって、街灯もこんな感じです。

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 まず、最初に向かったのが菅原神社です。 キュートな牛さんと道真公のコントラストをお楽しみ下さい。

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 外から見ると、社殿の屋根がとても美しい曲線を描いていました。

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 菅原神社を出ると、すぐに、その名も寺町通りという、七ヶ寺のお寺が連なる趣のある通りに出ます。

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 伊賀上野は、松尾芭蕉の生誕地であり、ところどころにゆかりのものを目にすることができます。

20120226_otasyuzo_13                句碑です 「みのむしのねを聞にこよくさの庵 」

20120226_otasyuzo_14                    蓑虫庵 芭蕉ゆかりの草庵

 雨にこそ降られませんが、お天気が今ひとつなのが残念でしたが、天気が良ければ、きっと気持ちのいい道をあるいていきます。

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 すると、ちょうど中間地点くらいに位置する八幡神社に到着します。

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 ここで、しばし休憩を取った後、あとはひたすら酒蔵を目指します。 途中、青山高原の風車群を見ることができました。

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20120226_otasyuzo_18 そして大田酒造さんに到着です。

 この日にあわせて半蔵祭りというのも開催されていて、すでに、多くの方で賑わっていました。

 大阪主催であれば、ここで、ガラガラ抽選会ですが、この名古屋主催では、帰りに、くじ引き抽選があります。

 ということで、まずは、甘酒をいただき、お酒の試飲というお決まりのパターンに・・・ 蔵内見学がなかったのが、少し残念無念・・・

 まぁ、でも沢山試飲させていただき、満足でした。

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 Elli は日本酒で漬け込んだ梅酒に感激。 そんなこんなで、これだけ買っちゃいました。

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 また、半蔵まつりでは、会場に、色々なお店も出てお安く食事もできます。特にカタクチイワシの炭火焼と、うこん錦の特別純米酒の熱燗は、 Taka に極上の幸せを与えてくれました。

 さて、お腹もふくれて、あとは猪田道駅を目指して再び歩きます。

20120226_otasyuzo_21                     久米川にかかる沈下橋

20120226_otasyuzo_22                   田園地帯を伊賀鉄道が走ります

 そして、終点の猪田道駅に到着です。 この駅は無人駅ですが、今日のイベントを見越して臨時の駅員の方がいらして切符を販売してくれます。 これ、切符。

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 最近は何でもICカードなので、なんとなく、ほのぼのとしてきますね。

 そして来ました。 忍者列車ピンクが。

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 社内も意匠が凝らしてあります。

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  広小路という駅で降りて、上野市を散策することにしました。折しも「伊賀上野城下町のおひなさん」というイベントが開催されていて、本町通りという昔は商家が立ち並んでいた通りを中心にひな人形が公開されているのでした。

 中には、江戸時代に作られたものも。

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 ご自分でひな人形を作られて飾っておられるお家もあり、お話も聞けて楽しめました。

20120226_otasyuzo_27 上野市で気づいたのは、とにかく和菓子屋さんが多いこと。 一体何件あるのぉ~ と思うほどでした。

 特に本町通りには多いようで、少し歩くと和菓子屋さんにぶつかります。

 紅梅屋さんで買った「梅が餅」 これ、絶品でした。 

 上野市駅に戻り、再び、伊賀鉄道(こんどは、ふくにん号)に乗って伊賀上野に戻り帰途に着きました。

 盛りだくさんの一日でした。 しかし、冷蔵庫が酒瓶で満杯状態に・・・ まぁ、それはそれで幸せ。

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2012年2月19日 (日)

酒蔵みてある記 郡山城 稗田環濠集落を経て豊澤酒造

 懲りもせず、人混み恐怖症に鞭打って今日も行って参りました。 人波みてある記・・・ あっ、いえ、もとい、酒蔵みてある記。 本日は、近鉄郡山駅に集合して、郡山城、稗田環濠集落にある売太神社を経て、豊祝というお酒を造ってらっしゃる豊澤酒造さんです。

 近鉄郡山駅に到着すると、「受付はここではありません。標識に従って進んでくださーーーい。」という係の方の声が。 駅で受付を行わないのは今回が初めてです。 言われるがままに進むと・・・

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 はぁ~

 なんか、お池の周りでただならぬ渋滞が発生しておるようです。 「今日って、このお池で寒中水泳大会でも開かれるのかね。」などと思っていると。 遥か遠くで、何やら、A3版の紙を受け取った人たちが移動を初めておられるではありませんか。

 そうなのでしゅ。

 寒中水泳ではなく、我が酒蔵軍団の受付渋滞だったのです。 そういえば、並んでいる人たち・・・ みんな、リュックを背負られていました。

 不肖、我々、混雑を避けるべく受付の30分前をねらって行動しているのですが、 それでも努力不足なのでしょうか。 ってか、最初に受け付けされた人達って、いつ来ているのぉーーーーー????  つーか、一体、今日は何人参加しているのぉーーーーーー????

 出鼻を見事にくじかれ、テンションがマイナス300くらいまでへこんだ Taka ですが、 渋滞でゆっくりと景色を眺めることができます。よくよく見れば、なんともいい景色です。

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 これ、郡山高校です。 なんと、お城(郡山城跡)の中に学校があるのです。 郡山城はその昔、豊臣秀長(秀吉さんの弟ね)のお城です。 きっと日本史の授業では先生が、「えぇー うぉっほん。 かしこくも秀長公は、1585年、我ぁーが郡山城に入城された・・・ 云々。」などと盛り上がるのでしょうな。

などと、思いを巡らしていると、漸く、受付で本日のコース地図をいただくことができました。

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 まずは、郡山城跡の散策からです。

20120219_toyosawasyuzo_04                        立派な石垣です

20120219_toyosawasyuzo_05                天守台跡と木の実(なんだろ? 誰か教えて)

20120219_toyosawasyuzo_06                             追手向櫓と追手門

 さて、郡山城を後にして、街中に繰り出します。  こんな感じで・・・

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 街の方は、さぞ、この大人の遠足に驚かれたことでしょうね。 そうこうして、郡山城の外堀を抜けて歩いていくと、平城京の南玄関となる羅城門跡に到着。

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 羅城門跡というからには、柱の跡とか何らかの痕跡があると思いきや・・・

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 げに悲しや・・・

 変わり果てた羅城門に心を痛めつつ歩いていくと、佐保川の土手に出ます。

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 気持ちのいい天気です。 ほどなくして、稗田の環濠集落に到着です。

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 環濠集落は濠に囲まれた集落で、この稗田の環濠集落は、小学校の社会科の授業でも習う有名処です。 


大きな地図で見る

 確かに濠に囲まれてますね。 この売太神社で小休憩です。

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                    古事記撰上千三百年

20120219_toyosawasyuzo_13 なんて幟が掲げられています。 そうそう、古事記が712年に編纂されて1300年目だったんですよね。(なんちゃって、初めて知りました。) 古事記の編纂者の一人が稗田阿礼(これは知ってたよ) ということで、ここ、稗田町も盛り上がっているのですね。

 予定には無かったのですが、ウォーキングのスタッフの方の機転で、特別にお宮さんの方(宮司様?)に縁起などを説明していただきました。 とっても話し上手な方で楽しめました。

 売太神社を後にして、途中、公園で昼食休憩もあったのですが、あまりの人の多さに食欲も出ず、お菓子をつまんだだけでした。 その後もひたすら歩いて・・・

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 到着です。

 まずは、いつものようにガラガラ抽選会。 そしていつものようにハズレ。

 それから、待望の酒蔵見学です。 きっちりとした見学ルートが組まれていて嬉しい限り。

20120219_toyosawasyuzo_15                      製麹室 厳重な扉ですね

20120219_toyosawasyuzo_16                          酒母室

 

20120219_toyosawasyuzo_17                         醪タンク群

20120219_toyosawasyuzo_18                       YABUTA式搾り器

20120219_toyosawasyuzo_19                酒造計画表? 春日大社用なんて文字も・・・

 そして、お待ちかねの試飲会場へ・・・ 足を向けたのですが・・・

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 ギョッ・・・ 人、多すぎ・・・  この黒山の人だかりの中に行くのレスか・・・ 人混み恐怖症のわらくしが クスン

 ええ、 突っ込みましたよ。 酒のためなら火の中水の中、 この恐ろしいばかりの人混みの中へ。

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 人を人とは思わず、大根と思う、 “秘技 シンデレラマジック” をかけて。

 すると、優しいこの子達が迎えてくれるのです。

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 とにもかくにも、シンデレラマジックが効いている間に、なんとか全8種類のお酒を試飲することができました。 そして、本日 Get したのがこの子達。

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 左右に控えるワンカップは、なんと豊澤酒造さんからのお土産なのです。

 豊澤酒造さんを後にして向かったのは帯解寺です。

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 本堂の屋根のラインがとても綺麗でした。

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 この後は、伊勢本街道を奈良に向けて進軍です。 そう、もう一つの約束の地へ。

 途中、山焼きされて、すっかりみすぼらしくなった若草山が大きくせり出してきます。

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20120219_toyosawasyuzo_27 休憩も兼ねて寄ったならまち振興館では、お話好きのボランティアガイドさんから色々なお話を聞くことができました。

 今日は、お話の上手な方によく出会います。

 振興館を後にして、奈良町の中を通り、餅飯殿商店街では、さすがにガス欠気味の為、立ち食いコロッケを頬張り、約束の地を目指しました。

 そして、艱難辛苦の果てにたどり着いた約束の地。

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 あれっ、 どこかで見たような酒樽が・・・ そう、豊澤酒造さんのスタンディングバーでっす。 ここで、本日の打ち上げをして帰途につきましたとさ。

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2012年2月18日 (土)

festa cobaを聴く

 このところ毎週、酒蔵巡りに引っかけて野辺歩きに繰り出している我々。が、元来が文化系。日本列島が強固な冬型の気圧配置で冷却されるこの季節、屋内で過ごす芸術な一時にも心惹かれます。美術館やクラシックの音楽会には行きますが、他のジャンルはあまり行ったことのない我々。たまには趣向を変えて、今をときめくcobaさんのアコーディオンなど聴きに行くことに。

その名も、"coba tour 2012  20th anniversary ~ festa coba" 「コバ2012年の演奏旅行 20周年記念コバ祭り」。なんだか、とっても楽しそう。どんな一夜になるのでしょう?

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 会場は、このところお気に入りの滋賀県立びわ湖ホール。京都駅を過ぎ山科に入ると、山肌は雪化粧。滋賀に来ると、雪が舞っています。空もどんよりと、まるで冬の日本海側。膳所駅で降り街へ出ると、雪が積もっています。先月、三峰山に入って以来、見ていない雪。ちょっと嬉しいElliです。(Takaは、このところ続く日本海側への出張で見飽きて、うんざりの様子)。

 終演が遅そうなので、先に早めの夕食。カプリチョーザで、カルボナーラやシチリア風コロッケを頂きます。イタリア料理は、実際に演奏会が始まってみて分かったのですが、今夜の曲目にはとてもいい選択でした

 開場時間になり、びわ湖ホールへ。会場の中ホールに入ると、舞台には、ワイヤーで一面に吊られたたくさんのチビTシャツ。横縞模様に、胸元の"coba"のロゴが、洒落ていながらも肩肘の張らないラテンの港町の雰囲気。仄かなミストが流れ、潤いが喉にも優しい()演出の中、cobaさん登場。

 美しい銀色の細工の施された大きな黒いアコーディオンから、音が響き始めます。空気の震えが伝わる、迫力のある音色。アコーディオンというと、シャンソンやタンゴのような、翳りのある印象ですが、cobaさんの音色は変幻自在。旋律を歌いあげる部分は、まるで吹奏楽器。音色も輝くように明るく、カンツォーネのテノールのよう。アコーディオンて、こんな表現の出来る楽器なのですね

 cobaさんは声も良く、話も面白い(しばし、強烈)。コンサートの前半は、18歳で単身イタリアに渡り、帰国後アコーディオン音楽家として歩み出すまでのいきさつを語りながらの演奏。「アコーディオンの世界を変える」という強い決意で、アドリア海の小さな港町とベネツィアの音楽院で研鑽を積み、世界的なコンクールで優勝を飾ったそうです。

 イタリアでの思い出を織り込んだ曲、特に"adrian express"という曲は、年季の入った煉瓦の壁に石畳の坂道、その向こうに輝く碧い海が目に浮かぶようです。Cobaさんの楽器がカンツォーネのように歌うのも、ご本人の発声がイタリア人のように朗々とされているのも、血の滲むような努力でイタリアの文化を吸収し、体得された所以なのですね。並外れて強固な意志と行動力、そして編曲と作曲の天才的な才能。Cobaさんの奏でる音楽は、単なる喜怒哀楽だけでなく、息の詰まるような気迫に溢れています。

 後半は、月にちなんだ曲を柱に、最新アルバムから選曲。タンゴやシャンソン風、NHK海外向け放送で震災支援への感謝を伝える曲、哀愁に満ちた調べからウキウキするような旋律、しっとり歌い上げる曲調から情熱的な曲調まで、多様な曲で聴かせます。どの曲にも、たとえ愉しい曲でも、どこか哀調が漂います。加古隆や梶浦由記といった、ヨーロッパの文化を身に付け、一人世界と対峙しながら、自己を音に託していく芸術家に共通する、独特の孤独感。

 後半の曲には、本日のバンドを組むギター、ドラム、ベース奏者のそれぞれの演奏をじっくり聴かせる時間も。どの方も流石ですが、中でも素晴らしかったのは、ギターの方。一音一音にキレがあり、まさに音が立っています。実に歯切れ良く力強い音で、小気味よくリズムと旋律が刻まれます。Cobaさんが20年来、ずっと演奏を共にしてきたというのも頷けました。

 6時に始まって、終演は8時45分。休憩を除いて、たっぷり2時間半そんなことは感じさせない、熱気に満ちた、圧巻の連続でした。

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2012年2月12日 (日)

酒蔵みてある記 生駒山麓から上田酒造

 毎週のように参加している「酒蔵みてある記」 今週も行ってきましたよ。 最近では、人混みの中でも、「あれは、人ではない。 人の形をした大根だ。」とシンデレラマジックを体得して人混み恐怖症を乗り切っている Taka です。

 さて、本日。 近鉄生駒駅を出発して宝山寺まで上がり、生駒山麓沿いを歩きながら近鉄一分(いちぶ)駅の近くにある上田酒造を目指すというコース。

 近鉄さんのパンフレットでは、今日のコースは、これまでになく「健脚向」と注釈がなされています。 これまでにも、結構大変だったコースもあったので、わざわざ「健脚向」と脅しをかけるということは、恐らく、難攻不落の難所が続く魔のコースのはず。しからば、参加者も恐れをなして少ないのはず、という甘い期待(近鉄 Good Job)を抱きながら集合場所に向かいました・・・

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                        はいっ? 

 どうやら、この国・・・ 自称 健脚さん ばかりのようでいらっしゃいます。

 気をとりなおし、シンデレラマジックをかけていざ出発です。 ちちんぷいのぷいっ

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 まず目指すは宝山寺。 宝山寺は2010年11月に生駒山に登った際に寄ったお寺です。(こちらも見てね) “生駒の聖天さん” として商売をされている方に特に親しまれているお寺です。

 宝山寺へと続く参道を黙々と上っていきます。

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 周りは普通の民家なので、きっと、お住まいのみなさん。。。 初詣でもないのに、この集団は何? といぶかしく思われていたに違いありません。 我々も歩き慣れてきたのか、1年半前に歩いたときに比べて結構、すいすいと進むことができるようになりました。継続は力なりですね。

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 あぁ・・・ 1年半前に来たときには、この道、誰も歩いていなかったなぁと思いを馳せながら、宝山寺にご到着です。

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 歓喜天、すなわち、聖天さまは、Wikipedia によれば、「貧乏人でもこの神の名を聞けばたちまち裕福になり、卑しい地位の人間でも高い地位につけるであろう」というありがたい神様です。 よく、わかりませんが・・・

 さて、宝山寺を背にして歩き出すと、

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 生駒の街が、飛び出す絵本のように大きくせり出してきて圧巻でした。 ちなみに、わらわらと上ってこられるのは我が酒蔵軍団だと思われます。

 少し歩くと、眺望が開けます。

20120212_uedasyuzo_08                   第二阪奈道路の料金所がくっきり

 公式の展望所も設置されていて、

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 生駒の街が箱庭のように見て取ることができます。

 この後は、のどかな山道を気持ちよく歩きます。 いろいろと景色を楽しめる道です。

20120212_uedasyuzo_10              古代のロボットの脚の残骸がありました(ここはラピュタ?)

20120212_uedasyuzo_11               お洒落なスリランカ料理屋さん。 この上に大介花子さんの邸宅が・・・

20120212_uedasyuzo_12                          大福寺と南生駒の街なみ

 うーむ、して、難所はいずこに? きっと、これからが常人の脚を受け付けない難攻不落の道が出てくるのでしょう。

 そうこうしているうちに、チェックポイントの往生院に到着。

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 なんでも、奈良時代の行基様が火葬されたのがこの地だとのことで、行基様の像もありました。

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 往生院を後にすると、生駒の山が綺麗に見ることができました。

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 次に向かったのが竹林寺。 ここには行基様の墓所があります。

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 奥の塚がお墓なのですね。 ところで、ここが行基様の墓所であり史跡であることを示す内務省(時代を感じさせますね)の立て札がありました。

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 感心しました。昔の方のセンスに。 今風の表示だったら、「・・・するな。」とか、「・・・してはいけません。」 とか、「・・・することは禁止します。」と書かれることが多いのではないでしょうか。 すると、かえって反発してしまいそうなものですが、 「・・・してはなりませ。」 と書かれたら、「はい」と素直に従いそうな気がします。

 竹林寺は、こじんまりとした社でお百度参りをされる方もおられるようです。

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 さて、このハイキングもクライマックスです。 って、えっ、 難攻不落の難所はいずこかしら? ともかく、 クライマックスの往馬大社に到着です。

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 春日造りの美しい社殿です。この神社は生駒山そのものを御祭神にいだく千五百五十余年の歴史をもつ神社です。

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 特に素晴らしかったのが、この御神木。 雷害と火災で焼けたにもかかわらず、未だに緑の葉を茂らせていました。

 清々しい気持ちで往馬大社を後にすると、ほどなくして最終目的地である上田酒造に到着です。

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 な、な、な、難攻不落の難所はぁ~~。

 ありました。 ここです。

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20120212_uedasyuzo_24 今日の参加者・・・

             1472名

 恐ろしゅい限りです。

 これまで参加した中で、最高でしゅ。

 きっと、この人混みが難攻不落の難所なのでしょう。 えぇ、少なくとも Taka にとっては。

20120212_uedasyuzo_25 それはさておき、いつものようにガラガラ抽選はあえなく玉砕。

 とりあえず、甘酒をいただきます。

 この甘酒、お米の味がしっかりしていて Taka 好みでした。 そして蔵見学です。 

 嬉しいことに、蔵のいろいろな所を見せていただくことが出来ました。

20120212_uedasyuzo_26                        米を蒸す釜です

20120212_uedasyuzo_27                    タンク群です 今まさに醸し中

20120212_uedasyuzo_28                   タンクの中も見れて感激 これで5日目

 蔵の中では、色々とお話も聞くことができました。 上田酒造さんは2000石の造りで、自所に2本の井戸を掘って生駒の水で仕込んでいるそうです。

 蔵見学の後は、ゆっくりと(とは、語弊があり、争奪戦の中で)試飲と買い物をしました。 お味の解説は姉妹ブログ「酒の記」で。

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 今日も愉しい一日でした。

2012年2月 5日 (日)

酒蔵みてある記 久保本家酒造と宇陀松山

 3回目の参加となる「酒蔵みてある記」。今日の酒蔵は、宇陀にある久保本家酒造。非常に手間暇の掛かる伝統の酒造り、「生酛造り」を手がける、数少ない蔵元の一つです。今回は、混雑をできるだけ避けるべくかなり余裕を見たのと、乗り継ぎの関係で、集合時間の1時間前に榛原駅に到着。3番と5番の番号の着いた地図をもらって、いざ出発です。

20120205_kubohonke_21  前半は、芳野川のほとりを歩きます。川沿いの道に出てすぐ、宇太水分神社の下社があります。杉木立に囲まれて、檜皮葺の社殿がささやかに鎮座しています。

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 ここからは、田園の中の、のどかな道。振り返ると、大和富士と呼ばれる額井岳や貝ヶ平山の、なだらかな駱駝の瘤のような山並みが見えます。

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 山際にひっそりと立つ三十八神社、黄檗宗独特の佇まいが目を惹く連昇寺を過ぎ、八咫烏神社に到着。

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 神武天皇の東征で、天皇を熊野から大和盆地へと導いた八咫烏を祀っています。日本サッカー協会が必勝祈願をすることもあり、境内にはサッカーボールをヘディングする八咫烏の、愛嬌あふれる石像も。

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石段の上に座す本殿は、みやびな春日造りです。

20120205_kubohonke_05 天然記念物のカザグルマ自生地を左手に見ながら宇陀川のほとりに出て、少しばかり歩くと、うだ・アニマルパーク。

 芝生の広場でカップ麺の昼食後、せっかくなので動物を観に行きました。

 小屋の前に、綺麗な茶色い仔山羊がいます。中に入ると、山羊と羊に餌やりができるとかで、Elliも係員の方から干し草を渡されました。

 通路をはさんで左側に羊、右側に山羊がいます。そばによって、一頭ずつ草を数本差し出すと、食べている横から他の羊が寄ってきて、「早くこちらにも」と言わんとばかりに、体を押し合いへし合いしてきます。

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「おやおや」と思いながら、もらった餌の束の半分くらいを羊たちにあげて、次は山羊。

20120205_kubohonke_07 小屋の前で見た茶色の仔山羊がいたので、草をやろうとすると、なんと横から大きな白い牡山羊がやってきて、茶色くんに体当たりして後ろに突き飛ばし、餌を奪ってしまいました

 可愛そうな茶色くんは後ろに退散。「ええっ?」とびっくりしながら、となりの白い仔山羊(角がないので、牝?)にあげようとすると、今度は横から同じくらいの大きさの牡の仔山羊がやってきて、牝の子山羊に角で頭突き。牝の仔は跳ね飛ばされ、牡の仔が餌を取ってしまいました

 このままでは、可愛そうに思ったElli。再度、牝の仔に餌をやろうとしたのですが、またまた同じ牡の仔が頭突き攻撃を繰り出してきます。今度は、牝の仔も応戦。なんと、2匹で頭を付き合わせ、頭突きによる取っ組み合いを始めてしまいました

 なんと凄まじい生存競争。一昨日の節分の豆まきなどは、しょせん遊び。動物の世界では、餌をめぐる闘いは生きるか死ぬかの真剣勝負・・・て、そもそも山羊って家畜だし、ここに居る限り、餌はちゃんとたっぷりもらえるはずじゃ

 それにしても、山羊が羊に比べて、こんなに荒っぽいとは。野生化した羊はあまり聞きかないけど、野生化した山羊は普通に聞くのは、この競争本能の強さのなせる技?

20120205_kubohonke_08 別の小屋には、牛や豚。ヨーロッパ種の巨大なウサギ、色々な種類の鶏(チャボや烏骨鶏も)、七面鳥も(でっかい!)。

 子供も大人も楽しめる施設でした

 アニマルパークから、酒蔵のある松本地区までは、歩いてすぐ。

 重要伝統建造物群保存地区の街並みに入ると、黒い板壁の町家が両側に並び、落ち着きを醸しています。

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 目指す大久保本家は、その通りの奥。

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 着いてまずは、ガラガラ抽選。今回もやっぱりハズレ

 甘酒と、試飲の純米酒「初霞」をいただきます。口に含むと、「春鹿」や「山鶴」のすっきり系とは一味違う、まろやかかつコクのある、豊かな味わいが広がります。それでいて、キレがあるのは、ここの水の特徴?

 見学順路に沿って蔵に入ると、立派な土蔵や、坪庭があります。製造工程ではなく、町屋見学の趣。途中、200円で熱燗も頂けます。あまりお酒の飲めないElli、燗はアルコールの匂いがつんとして苦手なのですが、この「初霞」は実にまろやか。燗にすると、角が取れて味が柔らかくなる、ということが初めて味わえました。

20120205_kubohonke_11 本日の参加者は900名強。前回、前々回よりは少ないとはいえ、それでも相当の大人数。昨年は800人だったので、参加者は増えているよう。人気上昇中なんですね。

 酒蔵を出ると、2時前。せっかくなので、松山をゆっくり散策。

20120205_kubohonke_12  まずは、松山城(秋山城)跡へ。

 奈良では高取城址の次に大きな城跡です。山城だけあって、杉木立の山道を10分ほど登ります。

 織豊期に本丸があった標高470mの最高所に立つと、四方を囲む山が雪を被っています。晴れていれば、もっと映えたのでしょう。

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20120205_kubohonke_14 城から下りてくると、城への登り口にある春日神社の手水場を囲む石垣に穴があります。

20120205_kubohonke_15 松山城天守閣からの抜け穴と伝えられているそうです。乱世の激しさが伺えます。

 街中に戻り、宇田川沿いに立つ松山西口関門(通称「黒門」)を観た後、歴史文化館「薬の館」(旧細川家住宅)へ。昔の薬問屋で、座敷には昔懐かしい薬の看板が所狭しと展示されています。「ライオン」や「参天」など、おなじみの会社のレトロなバージョンも。また、この家から嫁いだ方の息子さんが藤沢薬品の創業者ということで、藤沢関連の展示もありました。

20120205_kubohonke_16                         堂々の黒門

20120205_kubohonke_17                        レトロな広告

20120205_kubohonke_18                    昔はこんな感じだったのですね

 まちなみギャラリー「千景庵」のぜんざいでほっと一息。隣の酒屋で、甘酒のもと、麹を買って、まちづくりセンター「千軒舎」に寄ってみました。こちらも元は薬問屋だったのを持ち主が自治体に寄贈。観光客のために無料開放しています。案内の方がいたので、なぜここには薬問屋が多いのか尋ねてみました。万葉の時代には「阿騎野」と呼ばれたこの地は薬草が豊富で、宮廷の薬草採集の場となるほど。そのため薬問屋が建ち並び、「松山千軒」と呼ばれるほど富み栄えたそうです。

 街の歴史を学んだところで、もう一度だけ久保本家酒蔵に戻ると、片付けの最中。イベントの最中は見えなかった醸造タンクが見えました。少し歩いた所に、宇陀松山のもう一件の酒蔵、芳村酒造が。こちらも歴史を感じさせる立派な佇まいでした。

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 もう、すっかり夕刻。本日の脚の疲れをいやすべく、日帰り温泉「あきのの湯」へ。温泉プールもあるため、子供連れで賑わっています。アルカリ性単純泉の透明な湯ですが、成分が濃いのかぬるぬる。湯上がりはいつまでもしっとりポカポカ。体中が軽くなりました

 併設のレストランで、夕食。名産の地鶏を使ったみぞれ煮定食と親子丼。どちらも鶏肉がジューシーで、丼の卵は旨みが濃くトロトロ。Takaは、芳村酒造の「千代の松」を注文。久保本家と同じくキレの良い、美味なお酒とか。「奈良は、美味しいお酒にことかかないの~」とご満悦で、家路に着いたのでした。

20120205_kubohonke_22               Elliからのバレンタイン代わりにいただきました。

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2012年2月 3日 (金)

奈良の節分 ~手向山八幡宮&東大寺二月堂~

 2月3日、節分の日。鬼のお面をかぶり、豆撒きをした懐かしき日々は、遙か昔。齢を重ね、すっかり薹が立った昨今、「立春?まだ真冬なのに。年中行事は旧暦でやればいいのに」などとうそぶきながら、ただただ、大豆と巻き寿司、イワシを食べるだけの日となっていました。が、今年は、いつもと違った過ごし方をすることに。友人の方に誘われて、寺社仏閣の節分を初体験することになったのです(平日につき、Elliのみ。例によって、Takaはお仕事。でも、夜は豪華飲み会予定なので、こちらも一点の曇りなし。)

 行き先は、奈良公園。手向山八幡宮と東大寺二月堂。午前中、手向山八幡宮で御田植祭の祭事を見て、午後、二月堂での盛大な豆撒き、という予定です。

 手向山と二月堂は非常に近く、効率のよい計画です。でも、ひょっとして、恐ろしい人出?豆捲き(厳密には、「豆拾い」?)に来ながら、その実、ごった返す人波に豆粒のごと洗われるのでは?いえいえ、ニュースで観る東京や大阪の時の人が豆を撒く成田山などと違って、これは鄙びたあおによし奈良の都の古コトの儀。きっと雅びながらも牧歌的で、昔、何度か経験した新築家屋の棟上げで行われる餅投げのように、のどかに違いありません。ましてや、今日の舞台は、世界遺産に国宝の文化財。皆さん、おのずとゆったり気分のはず。

 期待と不安を胸に、奈良に到着。県庁の脇から先の土曜日の山焼きで黒焦げになった若草山を右手に見て大仏殿の前に出ると、鏡池が一面に凍り付いています。

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 何という厳しい寒さ。冬枯れてなお立派な樹木を愛でながら二月堂への参道を上ると、正面に手向山八幡宮の、小振りながら整った社殿が現れました。

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20120203_setsubun_03 時刻は10時半。

 御田植祭まで30分あるのに、本殿前に張り出した舞台の真正面には、すでに人垣が。空いていた右側の最前列に陣取りました。開始時間が近づき、神主が本殿に上がって、祝詞を挙げています。

20120203_setsubun_04 11時。舞台左の広場から、御田植祭の行列が出発。神主を先頭に、頭に牛の面を付けた男の子、翁の面を付けた田主役の男性、巫女姿の早乙女役の女の子6人、そして地謡衆。少人数ながら、雅な風情です。境内をまっすぐ進み、社務所の所で見えなくなったかと思うと、外を廻って、正面の門から再び入場。舞台に上がって、翁姿の田主一人を残して、左右両脇の円座に着座しました。

20120203_setsubun_05 田主は、舞台の奥から本殿へ向かう通路に下り、所作を始めました。

 背中を向けているのであまり見えませんが、両脇にある松に水を遣り、鼓を打って、神様を奉っている様子。

20120203_setsubun_06 舞台に戻ると、鍬を手に田を耕し、鍬を置いて今度は鋤を持ち、牛役の童子のタスキを鋤に結んで、2人いっしょに舞台を一周。

 正面に来ると、童子が「も~」と牛の鳴き真似。可愛いらしい

20120203_setsubun_07 鋤いた土を馴らし、肥桶に見立てた常緑樹の輪を担いで肥をやり、籾殻に見立てた大豆を撒いて、最後に鍬で土をかぶせて、田主の御田植えは終わりました。

 最後に、小さな早乙女達が舞台に並んで玉串を奉奠、神事は無事終わりました。まるで演劇のよう。立春に豆を撒くことで邪(じゃ)を払い、五穀豊穣を祈る節分の意義が、見ているだけで理解できます。
 
 神事の後は、いよいよ豆撒き。

 静粛な雰囲気は一転、争奪戦の始まり。古式ゆかしい儀式の後で、みなさん神妙でおしとやかかと思いきや、とんでもない。帽子を高く掲げ、飛んでくる豆を独り占めするべくキャッチする男性。地面にしゃがみ込んで、落ちて来た豆を拾いつくす女性。いずれも年配。

 年期の入った、巧妙かつ仁義なき作戦にあっさり敗退しかけたElli。

 なりふり構っては収穫ゼロになると、途中で気付き、一心不乱で豆を3袋確保。最後の1つは、後ろのお爺さんと奪い合うようにして、Elliが勝ち取ったのですが、その直後に「それちょうだいよ。」と、手を出され(ご自分では1袋しか拾えてなかった様子)、あっさり渡してしまう自分がいました。うぅむ、このごろ「酒蔵みてある記」でも思い知らされていますが、おそるべし年長軍団。

 時刻は12時過ぎ。二月堂で豆撒きの始まる午後2時まで時間があるので、今は閑静な(嵐の前の静けさ?)二月堂に登ってみました。

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 冬晴れの下、大仏殿と生駒山までよく見晴らせます。

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 右奥の手水舎には、氷が張り氷柱が垂れています。柄杓から垂れる水滴まで、氷柱になっています。水鉢を取り巻く龍も凍り付き、とっても寒そう。

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 二月堂を降りて、絵馬堂茶屋で昼食。白味噌仕立ての出汁がまろやかな絵馬堂うどんで温まり、再び二月堂へ。時間はちょうど1時。普段は立ち入れない二月堂直下の芝生の斜面が開放され、豆撒きの1時間前だというのに既に人がかなり入っています。普段なら他人事で通り過ぎますが、今日の目的はここでの節分行事。寒空に耐えて、私達もエリアに入ることにしました。
 
20120203_setsubun_12 まだかなり空いているので、最上段へ。

 それでも最前列はすでに人が並んでいて、Elli達は2列目。初めて真下から見上げる二月堂の舞台。迫力があります。天平風を残した柱の列が、リズミカルです。良弁杉も間近で、高さがよく分かります。
 
 30分前になると、芝生の空間はほぼ人で埋まり、警備を担当する奈良県警から注意事項が、何度も何度もアナウンスされます。「一つ、自分が立っている場所から動かないで下さい。二つ、左右前後の人を押さないで下さい。三つ、傾斜があるので、自分の足下をしっかり確保して下さい。」すでに何度も奈良の有名寺院で豆撒きを経験してきた大先輩の友人、

           「そんなん、一旦始まったら本能のままよ~。」

 これがいかに達観した名言かは、先の手向山八幡宮で実感しつつあるElliでした。
 
 午後2時、東大寺の住職やミス奈良が入場して壇上にずらりと並び、、豆撒きが始まりました。

 みな一斉に臨戦体勢に突入。奈良県警があれだけ繰り返していた注意事項は、各所でことごとく破られていきます。 這いつくばって拾い集める人々、帽子で空中キャッチする人々はさっきも見たけど、買い物用レジ袋をいっぱいに広げる人々は、いったい何?

 ここの豆撒きは、色んな物が降ってきます。殻付き落花生、塩炒り空豆、あんパン、そして、拾えると本当に嬉しい福鈴。周りの人はすでにいくつか拾っているのに、Elliのところには全く何も降ってきません。

 なんと、すぐ前のお爺、こともあろうに両手で帽子を頭上高く掲げて、虫取り網状態。空中で全て捕獲してるではありませんか。まるで、悪徳漁船団の一斉底引き網のよう。

 お爺のブラックホール帽子に全て吸い込まれ、何も飛んでこない状態に、さすがにぷっつん切れたElli。思わず「帽子ずるい~!」と声を上げ、帽子お爺の足の間に腕をつっこみ、お爺の足下に落ちた落花生を拾い獲っていました。。。

 Elli、友人の方の言葉の如く、不惑を過ぎて初めておのが本能を見たのでした。その後は何とか要領を得、あんぱん2つ、落花生3袋、空豆2袋、福鈴1つを確保できたのでした。

 しかし、上には上がいらっしゃるものですね。気がつけば、最前列の人のさらに前の急斜面に飛び出して、拾い廻っている猛者も数人。Elliの前に立ちはだかった帽子お爺も、目の前で急斜面を駆け廻るおばさんに、すっかり腰砕けになっていました。

 争奪戦も加熱気味となった頃、豆撒きは終了。ついさっきまでの乱闘が嘘のように、人波は引き潮の如く境内から退けて行ったのでした。

20120203_setsubun_08                      戦い済んで日が暮れて

 不思議なのは、その後のすがすがしい気分。時間限定の解放区の後で、普段は眠っている心身の生存エネルギーを放出した後は、心身共にすっきり晴れ晴れ。これが太古から続く無礼講の祭りの効用なのでしょうか。節分の「鬼は外」とは、自分の内なる鬼を表に出し、追い払って浄化することなのでしょうか。深い真理を学びました。

20120203_setsubun_13 昂揚の後は、お茶でしっとりほっこり。

 二月堂から続く土塀の参道を下り、大仏池を過ぎた所にある「工場跡」カフェに入りました。

 その昔、フトルミンという乳酸菌飲料を作っていた工場の建物を再利用しています。工場といっても、現代のコンクリートの無機的な建物とは違い、木造の大正レトロな暖かみのある建物。紅茶も美味しく、ゆったり落ち着いた時間を過ごし、賑やかな一日の穏やかな締めくくりとなったのでした。

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