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2012年2月18日 (土)

festa cobaを聴く

 このところ毎週、酒蔵巡りに引っかけて野辺歩きに繰り出している我々。が、元来が文化系。日本列島が強固な冬型の気圧配置で冷却されるこの季節、屋内で過ごす芸術な一時にも心惹かれます。美術館やクラシックの音楽会には行きますが、他のジャンルはあまり行ったことのない我々。たまには趣向を変えて、今をときめくcobaさんのアコーディオンなど聴きに行くことに。

その名も、"coba tour 2012  20th anniversary ~ festa coba" 「コバ2012年の演奏旅行 20周年記念コバ祭り」。なんだか、とっても楽しそう。どんな一夜になるのでしょう?

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 会場は、このところお気に入りの滋賀県立びわ湖ホール。京都駅を過ぎ山科に入ると、山肌は雪化粧。滋賀に来ると、雪が舞っています。空もどんよりと、まるで冬の日本海側。膳所駅で降り街へ出ると、雪が積もっています。先月、三峰山に入って以来、見ていない雪。ちょっと嬉しいElliです。(Takaは、このところ続く日本海側への出張で見飽きて、うんざりの様子)。

 終演が遅そうなので、先に早めの夕食。カプリチョーザで、カルボナーラやシチリア風コロッケを頂きます。イタリア料理は、実際に演奏会が始まってみて分かったのですが、今夜の曲目にはとてもいい選択でした

 開場時間になり、びわ湖ホールへ。会場の中ホールに入ると、舞台には、ワイヤーで一面に吊られたたくさんのチビTシャツ。横縞模様に、胸元の"coba"のロゴが、洒落ていながらも肩肘の張らないラテンの港町の雰囲気。仄かなミストが流れ、潤いが喉にも優しい()演出の中、cobaさん登場。

 美しい銀色の細工の施された大きな黒いアコーディオンから、音が響き始めます。空気の震えが伝わる、迫力のある音色。アコーディオンというと、シャンソンやタンゴのような、翳りのある印象ですが、cobaさんの音色は変幻自在。旋律を歌いあげる部分は、まるで吹奏楽器。音色も輝くように明るく、カンツォーネのテノールのよう。アコーディオンて、こんな表現の出来る楽器なのですね

 cobaさんは声も良く、話も面白い(しばし、強烈)。コンサートの前半は、18歳で単身イタリアに渡り、帰国後アコーディオン音楽家として歩み出すまでのいきさつを語りながらの演奏。「アコーディオンの世界を変える」という強い決意で、アドリア海の小さな港町とベネツィアの音楽院で研鑽を積み、世界的なコンクールで優勝を飾ったそうです。

 イタリアでの思い出を織り込んだ曲、特に"adrian express"という曲は、年季の入った煉瓦の壁に石畳の坂道、その向こうに輝く碧い海が目に浮かぶようです。Cobaさんの楽器がカンツォーネのように歌うのも、ご本人の発声がイタリア人のように朗々とされているのも、血の滲むような努力でイタリアの文化を吸収し、体得された所以なのですね。並外れて強固な意志と行動力、そして編曲と作曲の天才的な才能。Cobaさんの奏でる音楽は、単なる喜怒哀楽だけでなく、息の詰まるような気迫に溢れています。

 後半は、月にちなんだ曲を柱に、最新アルバムから選曲。タンゴやシャンソン風、NHK海外向け放送で震災支援への感謝を伝える曲、哀愁に満ちた調べからウキウキするような旋律、しっとり歌い上げる曲調から情熱的な曲調まで、多様な曲で聴かせます。どの曲にも、たとえ愉しい曲でも、どこか哀調が漂います。加古隆や梶浦由記といった、ヨーロッパの文化を身に付け、一人世界と対峙しながら、自己を音に託していく芸術家に共通する、独特の孤独感。

 後半の曲には、本日のバンドを組むギター、ドラム、ベース奏者のそれぞれの演奏をじっくり聴かせる時間も。どの方も流石ですが、中でも素晴らしかったのは、ギターの方。一音一音にキレがあり、まさに音が立っています。実に歯切れ良く力強い音で、小気味よくリズムと旋律が刻まれます。Cobaさんが20年来、ずっと演奏を共にしてきたというのも頷けました。

 6時に始まって、終演は8時45分。休憩を除いて、たっぷり2時間半そんなことは感じさせない、熱気に満ちた、圧巻の連続でした。

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