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2009年10月12日 (月)

開田高原と奈良井宿

20091012_kaida_narai_01  御岳登山から一夜明け、木曽駒ヶ岳の麓で、爽やかな朝を迎えたTakaとElli。今日も晴天は続いています。旅の2日目(にして最終日)。昨夜の時点では、次はどこへ行こうか?頑張って上高地まで車を飛ばし、黄金色の落葉松林を散策しようか、などと語り合っていたのですが、その元気は朝、ベッドから起き上がる時、見事に打ち砕かれました。段差を降りようとすると、ん・・・?足が。。。大台ヶ原に続き、猛烈な筋肉痛 階段の上り下りなど、まるで苦行のよう。まさに勢いに任せての登山のツケ 黄金色の木立の散策どころではありません。
 20091012_kaida_narai_02 ガイドブックを見ると、この辺り一帯は、御嶽山の眺望と開田高原の眺めが素晴らしいドライブの名所。体の疲れ(足の痛み?)を癒しながら、のんびり過ごすことにしました。スパニッシュオムレツと自家焙煎コーヒーの朝食を味わった後、宿のホームページで紹介されていた、せせらぎと木立の美しいスポットへ寄ってみることにしました。本物の上高地は無理でしたが、宿の紹介文の通り上高地を彷彿とさせる、木曽駒の懐に抱かれた森と清冽な流れがありました。
 次に、御嶽山と乗鞍を一望できるキビ尾峠に行ってみました。御嶽山の頂はあいにく雲を被っていますが、乗鞍は綺麗に見えます。 

  山の天気は気まぐれ。待っていたら、ガスが晴れるかと、しばらく佇んでいましたが、少し 20091012_kaida_narai_03_3 雲が北に流れ、剣が峰の尖った三角峰が顔を出すことはあるものの、壮大な雄姿が完全に姿を見せることはありません。それにしても、ゆったりと大きな裾野です。休火山の独立峰にして、5つもの火口湖を持ち、巨大な台形のような山容の御嶽山。遠望すると、富士山をちょうど下半分で手切ったよう。 山頂の雲は時間が経つと、もしかしたら流れ去るかもしれません。一抹の期待を抱いて、次の展望台に移動することにしました。

 木曽から飛騨へ抜ける古い街道を辿って、途中、落差100mの唐沢の滝で、落差100mの涼しげな紗のような流れと森林の冷気に当たった後、地蔵峠、九蔵峠の展望台へ。目前には御嶽山、眼下には開田高原の、雄大な眺めが広がる・・・はずでしたが、御岳山の機嫌はどんどん悪くなり、山頂の雲の傘はますます厚く、すっぽり頂きを覆っています。どうやら、御嶽山の右側から、雲が湧いている様子。「昨日、登っておいてよかったね。今日なら山頂はガスで何にも見えないわ。」一方、乗鞍は快晴。尖った頂きもクリアに見えています。山の天気は分かりません・・・

20091012_kaida_narai_04                   九蔵峠展望台から乗鞍岳を臨む

 眼下には、一面に開田高原の落葉松林が広がっています。細い谷間を成す小さな川に沿って、家々の朱い屋根や、牧草地の明るい緑が覗いています。清々しい眺めです。開田村が「日本一美しい村」の一つなのも頷けます。落葉松が黄金色に染まる頃の見事さ、見てみたいものです。

20091012_kaida_narai_05                           開田村

 それにしても、朝からの筋肉痛はますます激しく、車の乗り降りもひどい苦痛。少しでも和らげるべく、温泉を求めて、再び「やまゆり荘」へ。昼間も結構なお客さんです。湯から上がると、ちょうどお昼時。開田高原のそばと岩魚の塩焼きの定食を試してみました。地元のおばちゃん手打ちの10割そばの香ばしさ、付け合わせの郷土食も美味しく、Taka & Elliのお気に入りの湯処となりました。
 食事の後は、デザート。九蔵峠へ行く途中で見た、朱い屋根に白い壁の、開田高原アイスクリーム工房に寄ってみました。バニラソフトは、ミルクの味が濃厚にとろけます。クリームチーズやバターも美味しそう。思わず買い込んでしまいました。
 夕暮れまでの時間、木曽の宿場町の一つ、奈良井宿を訪ねることにしました。Elli学生時代に木曽路を旅したことがありますが、馬籠・妻籠が名高い木曽路の宿場町で、一番観光化しておらず、普段の暮らしが自然に営まれていたのが、奈良井でした。その頃よりは、店も増え、家々の木の壁もきれいに補修され、少しよそ行きの顔になったようでした。が、夕暮れ近くで人気も少なく、温泉の後も治まらぬ筋肉痛の足をひきずりながらも、宿場町の静かな佇まいを散策することが出来ました。

20091012_kaida_narai_06                       奈良井宿の町並み
 

 木曽の特産、漆の箸を買って奈良井を後にした後は、高速でひたすら帰路へ。空いていれば、京都まで5時間とかからないはず。しかし、今日は1000円高速の週末。飯田から始まった渋滞は、行けども行けども延び、2時間は車中の旅を余計に延ばして、家に辿り着いたのでした。終わってみれば、筋肉痛と渋滞の一日でした(;_;)

2009年10月11日 (日)

酸欠 Taka

 最近とみに忙しいTaka。しかれども、今は秋。一年に一番美しい季節。できれば、鮮やかな山の紅葉を見たいと、1泊2日で信州方面を目指すことにしました。 20091011_kiso_01 紅葉情報と天気予報から候補地を絞り、関西からも行きやすそうな木曽御嶽山に決定。なんでも我らがあこがれの涸沢に勝るとも劣らない紅葉を拝めるとのこと。その話を聴いて、最初は、「えっ、山登らんといかんの?」と、今一つ乗り気ではなかったTakaも目の色が変わりました。o(*^▽^*)o

 丑三つ時に車で家を出て8時前には御嶽山への3つの登山口の一つ、黒沢口のロープーウェイ乗り場に到着。ロープウェイで六合目から七号目までスルスル移動。紅葉の名所である八合目を目指して、登山を開始しました。
 冷んやりとした空気を吸いながら、森の中を登っていきます。七合目とはいえ、標高は2200m。道ばたには、早くも霜柱が立っています。道は、歩きやすい木の階段。20091011_kiso_02 私たちの靴は足首まである登山靴ではなく、平地から軽登山まで対応のウォーキングシューズ。それでも、難なく登れます。元気のいい子供などは駆け足で登っていきます。歩き始めて一時間、樹木の背がだんだん低くなり、視界が開けたところで、八合目に出ました。
 ここは紅葉の名所。台風一過、抜けるような秋の空をバックに、赤や黄金の錦絵が広がっている・・・はず。。。しかし、しかし、台風は雲を吹き飛ばし、抜けるような青空をもたらしましたが、いっしょに紅葉も散らして去ったのでした
 

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 紅葉はなくも、澄みきった青空の下、ナナカマドの朱い実が映え、御嶽山の大きな山容を彩っています。振り返ると木曽の山群、北方には乗鞍、穂高、遙か槍まで見晴らせます。雄大な眺めです。でも、Taka、冷めた目で「で、Elliよ。 涸沢に勝るとも劣らない紅葉はどこにあるのじゃ? ん? ん? ん? んーん? 」 「ナナカマドきれいな秋色だよ。写真撮ったらきれいだよ。」と言い返すと、意外にも、あっさりとパチパチと写真を撮り始めました

 「で、これからどうするのじゃ?」とTaka。Elli「えっ、靴も登山用じゃないし、引き返して、山麓をドライブする?」 「はぁ~? ここまで来て、降りて、どうするのじゃ? 丑三つ時に車を運転させられて、お高いロープウェイ代を払って、飛び散った紅葉を見て終わりかの? そんなのありかの? せめて頂上へは行かんのかの?」Taka、紅葉が現れず、このままでは明らかに不完全燃焼の様子。「確かに、上まで行くと、池があって綺麗そうだけど、あと2時間かかるし。そもそも靴が。。。」

 しかし、確かにこれまでのところ、登山道は非常によく整備され、登る分には全く問題ありません。実際、運動靴で登っている人もそこそこ見受けられます。途中で無理そうなら引き返すという条件で、行ける所まで行くことにしました。

20091011_kiso_04  八合目は、女人結界でもあります。百名山である前に、信仰の山である御嶽山。1786年、覚明行者が登山道を開いてから、全国各地に登拝のための講が出来、当時は八合目から先は女人禁制でしたが明治以降に解かれ、今なお老若男女が信仰のため登って来ます。今日のような紅葉の季節は一般登山者ばかりのようですが、NHK「日本の名峰」などを見ると、夏は金剛杖に白装束の登拝者が多数のよう。頂きに近づくたびに、祠や鐘楼、覚明行者の像が現れ、いかにも信仰の山らしい歴史的景観です。おかげで、登山道はよく整備され、Elliがこれまで登った初心者向け3000m級、立山、乗鞍に比べても、さくさく歩けてしまいます。快適なまでの登りやすさで、あれよあれよと九合目、その上の頂上に続く稜線まで来てしまいました。
 アクアブルーの水をたたえた二ノ池は、すぐそこ。八合目が晩秋なら、この辺りはもう初冬。高度2905m、日本最高所の池は縁に氷が張っています。立ち止まると、さすがに冷えます。ゴアテックスのヤッケを着て、おにぎりを頬張りました。最高峰の剣が峰も、まさに目前。

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 ここまで来ると、他の選択肢はありません。山頂を目指して、歩くのみ。上り坂とはいえ、傾斜も緩く、目標地点を前にほぼ縦走(?)状態。Elli数年(10年?)ぶりの3000mに足取りも軽くなっていると、後ろからTakaの声が。「待って、ちょっと止まってくり~」。「え(@_@) まさか、高山病?」「いんや。足が痛い。」「え?まさか、疲れた?」「違う。多分、酸欠。」「(@_@)??????」何ですか、それ???高山で、酸欠で足痛って、まったくの初耳。Taka曰く、空気が薄いため、筋肉量の多いTakaの筋肉の末端まで酸素が行き渡らない、のだそうです。
  20091011_kiso_07 「そこのおじさんも、歩いては休み、足を叩いとる。きっとわしと同じよの。」何でも、しばらく休むと、酸素が行き渡って、歩き出すことができ、また少し行くと、酸素が足らなくなって、痛くなるとか。結局、Takaのペースに併せて、止まっては歩き、歩いては止まり、少しずつ進んで、ゆったり堂々?目的地にたどり着くことが出来ました。セメントで固めた階段で頂上まで上がると、そこにはセメントで固めた広場と神社が現れ、少し興醒め(しかし、これこそ信仰の山の本領)。その先の、三角点のある地点は自然のままの岩場。眼下には二ノ池の青い水。その先には乗鞍、穂高、木曽の山々の、高山ならではの眺望が広がっていました。

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 Takaの酸欠痛は、下山を始めてしばらく、おそらく2950m前後?から、消えました。大台ヶ原でもそうでしたが、下りでは足首までない靴は、さすがにこたえます。特にElli、足への衝撃を抑えるため、まるで亀の歩み。頂上付近のTakaと、逆転状態です。しかも、樹林帯に入ると、朝は凍って霜になっていた水分が溶け、土はぬかるみ、木の階段は油断すると滑りそう。次の機会までには、必ず登山靴を・・・出来れば泥よけのスパッツも・・・身をもって実感しました

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 下山後は公共の立ち寄り温泉、やまゆり荘で疲れを癒し、山麓のペンション、ゲストハウス・ヒルトップでワインと地ビール、洋風創作料理で舌の幸福を味わった後、山の澄んだ星空を眺め、静かな一夜を過ごしたのでした。

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