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2009年9月20日 (日)

大台ヶ原探勝

9月初の大型連休、シルバーウィーク。我々もどこかへ出かけない手はありません。かねてから念願の大台ヶ原へ繰り出すことにしました。
 大台ヶ原探勝は、5月の結婚記念日に一度、試みたことがあります。が、この時は、橿原を過ぎた辺りで、行く手はるか南の山並みの上空に雲が厚いのを見て、あえなく引き返したのでした。

20090920_odai_01  それから実に4ヶ月ぶりの挑戦。お天気は快晴。清々しい空が広がっています。台高山地の山ひだに広がる森を縫って続く道を、車でクネクネ上って行きます。右手には、はるか大峰の山々が連なっています。やがて森が深くなり、こんなに豊かな原始林の中に車道を引いて大丈夫なのか心配になったところで、登山口の駐車場に到着しました。
 時刻は8時。ストックを片手に、東大台を一周。朝日の差し込む森の緑が心地よい平坦な小径が、やがて上り坂となり、しばらく歩くと眼下に忽然と、熊野灘の一面の海原が現れます。山と海が迫る、雄壮な眺めです。

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 左手には、大台ヶ原の最高地点、標高1695mの日出ヶ岳が覗いています。勾配のある木の階段を少し登ると、日出ヶ岳の頂上。眼下には熊野灘の海、右手には正木ヶ原の丘陵がゆったり弧を成しています。来た道を振り返ると、大台の森が広がり、その奥には、大峰の山並みが浮かんでいます。360°の広大な見晴らしです。

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 日出ヶ岳を下り、正木ヶ原へ。緩やかな木の階段を上って行きます。ゴヨウツツジの丸い樹形が渋い紅に染まり、一足早く紅葉の訪れを告げています。しばらく歩くと、正木ヶ原で一番高い地点、海が見晴らせるクマ笹の高原に出ました。その下には、白く立ち枯れた木立が並んでいます。

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涼やかな詩情の風景に身も心も洗われながら木道を下っていくと、植現在の植生を解説した看板がありました。

 20090920_odai_05 現状の森の写真に白丸付きの矢印で、「茶色い個体」の文字が・・・何かと思ったら、「鹿」のこと 大台ヶ原といえば、日本有数の雨量に育まれた、鬱蒼たる苔の森。もともとこの辺りもそんな深い森でしたが、伊勢湾台風で木々の立ち枯れが始まり、降水量の減少、鹿の食害でどんどん広がってしまったそうです。一見、詩的な白い立ち枯れの木立は、森の死の姿だったのです現在は、樹に網を巻いたり、防御柵を立てて、鹿に食べられるのを防いでいるのだそうです。 しかし、かといって、鹿を「個体」呼ばわりしなくても・・・普通に「鹿」でいいではないですか~~

 再び森の中に入り、牛石ヶ原の草原で神武天皇の像を仰いで、また森の中へ。大台ヶ原きっての絶景が望めるという「大蛇嵓(だいじゃぐら)」なる恐ろしげな名前の所に向かいました。何故、こんな名前なのか?着いて納得。高く深い渓谷の上に、蛇の先っぽのような細長い岩が突き出した所だったのです。絶景を見たければ、その岩の背を先まで歩かないと行けません。が、ちょうど蛇の背のように丸く迫り上がっているので、つるんと滑りそうです。両端には、スカスカの杭と鎖が巡らしてあるだけ。平気な人は、先まで難なく歩いていますが(Takaもこのタイプ)、対照的に、Elliのような恐がりは、岩の上にしゃがみ込んで、スリスリと前進です恐怖に打ち勝って得られた眺めは・・・緑の屏風のような大峰山系の深い渓谷に、松などの生えた尖った岩が迫り出し、さながら荒削りな山水画でした。

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20090920_odai_07  シャクナゲの谷を下って、シオカラ谷の渓流で吊り橋を眺めながら昼食、起点の駐車場まで戻ると、まだ1時過ぎ。Takaが、もう一度正木ヶ原に行きたい、とのたまいます。すでにヘタリ気味のElliでしたが、ヘロヘロになりつつも付いていくと、光線の関係で、海の色は青さを増し、緑も濃くなっています。朝よりも色彩鮮明な景観に、疲れも癒されました。この後は、さすがに大蛇嵓には廻らず、東大台周遊ルートの真ん中を横切るように付けられた道を取りました。静かな、森の中を歩く径で、途中、木立も深く苔も生えた所もあり、大台本来の森の姿に触れられた気がしました。

20090920_odai_08  森を抜けて、ビジターセンターに寄ると、西大台は苔の神秘的な森が広がっているそうです。いつか、ぜひ行ってみたいと思います。
 大台の森に別れを告げ、上北山温泉の立ち寄り湯「薬師湯」で、足の疲れを癒し、帰路に着いた・・・はずのその翌日。追加の半周がたたり、Elliは家の中を歩くのも苦痛の筋肉痛に見舞われたでした それでも、なお、季節を変えて、何度も訪れたい所です、大台ヶ原

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2009年9月 4日 (金)

フェルメールとモネと藤城清治 そしてヘロヘロ

 今日は、さぼりました会社を・・・ あっ、もとい、先日、休日に出ていたのでその代わりに公明正大に大手を振ってお休みしました。 で、なんで今日? って感じですが、迫っていたのです。京都市美術館で開催されている

  ルーブル美術館展

の会期の終わりが。今日が9月4日の金曜日でしょ。もう残すところ約3週間だったのです。「3週間もあれば大丈夫じゃないの?」と思われるかも知れません。確かにそうかも知れません。普通のお方々には。でも Taka にはダメなのです。何がダメって、この手の美術展、会期が3週間を割り出すと、

  • 本当に観たくてたまらない人
  • 別にとりたてて観たいわけではないけど新聞屋さんに招待券をもらっちゃったのでとりあえず行っておこうかなという人

が、大挙して押し寄せてくるのです。特に今回のルーブル美術展にはフェルメールの絵が展示されますので、全国のコアなフェルメールファンもやってくるでしょう。すなわち、

  館内 大混雑

が予想されるのです。それこそ、土曜日や日曜日に行こうものなら、美術館に入るまで3時間待ちとか・・・ 入ってもお目当ての絵の周りには黒山の人だかりとか・・・、平日だって決して安心できません。 人混み恐怖症の Taka には、あまりにもおぞましい光景が繰り広げられること間違いありません。

 では、「行かなければ?」とおっしゃられるかもしれませんが、それは許されないのです。何故って? Elli様 がフェルメール命のお方だからです。なんせ、昨年は、「大フェルメール展」を観るために大枚をはたいて東京まで旅に出たくらいですから。となれば、答えはただ一つ、「会社をおさぼりする」 しかありませんじゃないですか。

 というわけで、まだ、ましな精神状態で絵画鑑賞ができるであろうラストチャンスとなる今日、この日、決行を決めたわけです。何度もいいますが、平日だからといって安心は出来ないのです。金曜日なんて言うのは既に半分、土曜日みたいなものなのです。ですから、開館時間(9時)の30分前には美術館に着こうとお家を出ました。「まだ、誰も来ていませんように」と祈りながら。

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 うっ、既に並んでいる・・・ なんでみんなそんなに暇なん・・・(オイオイ、お前は?) でも、列の長さは知れているようです。少なくとも初っぱなから入場制限はなさそうです。

20090904_louvre_02  開館時間の9時になって、ちゃんと第1陣で美術館の中に入ることができました。 今回は、Elliがどうしても来たかったように書きましたが、実は Taka にもお目当ての一枚があったのです。それは、ジョルジュ・ド・ラ・トゥールの「大工ヨセフ」です。以前、NHKスペシャルにルーブル美術館というのがありましたが、初めて、この絵を見てとても感動したものでした。ですから、たとえ会社をさぼってでも来る価値がある展覧会なのでした。 もちろん、Elli はフェルメールの「レースを編む女」です。Elliは本場のルーブルで観たことがあるそうなのですが、やはりこの絵に釘付けになっていました。

 想像していたよりもゆっくり絵を楽しむことができ、満足して美術館を後にしたとき、まだ11時過ぎにもかかわらず、入り口付近では入館規制が始まっていたようでした。

 この後、少し早かったのですが、美術館の近くにある「山元麺蔵」というお店で名物のうどんを食べました。さすがに人気店だけあって、すぐに店内はいっぱいとなりました。この店の名物である「土ゴボウ天うどん」 最初は、これがうどんの具になるのかなぁと思っていましたが、麺がしっかりとした力のある麺で、とてもいい相性でした。


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 お店を出た後、一旦、三条まで戻って、バスで比叡山のガーデンミュージアムに行きました。比叡山の山頂は少し霞がかかっていましたが、びわ湖が綺麗に見下ろすことが出来ました。雲の高さも目線と同じで本当に気持ちがよかったです。

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 まだ、残暑も厳しいので花はあまり期待していませんでしたが、それでも、我々の目を頼ませてくれました。特にモネの睡蓮の池をモチーフにした蓮池が、とても涼やかな空間を醸し出していました。

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 やはりなんと言っても山の上は涼しいので、ベンチに座ってうたた寝をするなど、のんびりと過ごせた一日でした。

 と、これで終わった訳ではなかったのです。

 20090904_louvre_05 実は、この日、最後のイベントが、京都文化博物館で開催されていた「藤城清治 光と影の世界展」でした。さすがに1日に特別展覧会2つは酔狂者の Elli と Taka といえどもハードなのですが、いかんせん、こちらも 9月23日が会期の終わりと、状況はルーブル展と同じだったのです。

 なんでも会場のセッティングに関する設計は藤城さん自らがコーディネート(配置設計のミニチュアモデルまで造られていました)され、とても考えられた展示となっていました。我々の世代は、昔・・・その昔 NHKのみんなの歌で藤城さんの影絵には慣れ親しんでいたので、本当に懐かしく思いました。 ・・・お年がばれてしまいますね。

 何よりも圧巻だったのが、鏡と水を利用したブースで、中をのぞき込むと永遠に情景が続いているような錯覚に陥りました。また、展示されている作品がとても多く、閉館ぎりぎりまでいましたが、それでも最後は、じっくりと観れないのが残念なくらい早足で観て回らなければなりませんでした。

 ルーブル展では開館前から、そして藤城清治さんの光と影の世界展では閉館まで。さすがに、文化博物館を出た後は、かなりヘロヘロでした。

 心のお腹はいっぱいになりましたが、本当のお腹はペコペコだったので、三条にあるアゼルバイジャン料理のお店「SHANDIZ」に行きました。

暑い日にはぴったりの料理でキャバブがとても美味しかったです。これで、お腹もいっぱいになり、「会社をさぼってこんなことしてていいのだろうか」という罪悪感はこれっぽちもなく、本当に満たされた一日でした。

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